行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

安全保障関連法案に反対する高校生が渋谷でデモ

2015-08-04 22:50:31 | Weblog

8月15日が近づき、国民の関心が安保関連法案に高まる中、政治には無関心だといわれて久しい高校生が何と5000人も集まり、渋谷で反対デモ行進をしたというニュースが目を引いた。戦争になれば真っ先に戦場にかり出される若者がようやく目覚めた感じだ。選挙権が18歳に下げられる中で、高校生も自分らしい言葉で意思表示したいとSNSを通じて集まったことを見ても、何らかの政党や平和団体の誘いというより、スマホを通じて自発的に集まったグローバルな傾向だ。「戦争に行くのは嫌だ」という率直な訴えはどんな言葉より強い。

この若者の意思表示にとんでもない反応を示した国会議員がいる。滋賀県選出の自民党武藤貴也衆議員(36)で、ツイッターで「戦争に行きたくないという極端な利己的考え」と批判した。調べてみると彼は「基本的人権の尊重」という思想によって「滅私奉公」の概念は破壊されてしまったとしており、「基本的人権の尊重」という言葉の根底には、身勝手な「個人主義」が存在していると基本的人権を否定しているのだ。日本国憲法の基本を否定しているわけだから法的安定性など歯牙にもかけないだろう。先の戦争では赤紙一枚で蒐集され「滅私奉公」と消耗品のごとく戦場に散った大勢の若者がいる。どう思っているのだろうか。滋賀県の有権者はこういう人物を選んだことを恥じるべきだ。

自民党の国会議員はツイッターで若者の訴えに丁寧に答えるべきで、ブログやメルマガで安全保障関連法案が日本の平和に如何に役に立つかということを主張している自民党議員(例えば逢沢一郎)がいるが、武藤議員のような驚くべき時代錯誤発言でそれらの努力は水泡に帰す。

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