行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

デフレ状態ではないと言うが

2015-08-20 19:00:40 | Weblog

14日に発表された経済財政白書、デフレからは脱却してないがデフレ状態ではないというが、じゃあ何状態なのだろうか。その後17日に4~6月期のGDPが発表され、年率-1.6%で民間のエコノミスト予想-1.8%よりましだと株価には影響しなかった。東証1部上場企業の経常利益は4~6月期前年同期比2割を超える増益だという。企業がこんなにもうけているならGDPだって少なくともプラスなのではと思うのが当たり前だ。ここのギャップが日本経済の状態がはっきりしない原因だ。安倍内閣は企業に儲けをはき出し、設備投資を、賃上げをと要請しているが、役員報酬だけは確実に増えている。

GDP統計によると、マイナスの大きな要因は、個人消費が-0.8%とふるわなかったことと、輸出が円安でかつインバウンド消費増(輸出にカウントされ6%増)にもかかわらず-4.4%と伸びなかったことが2大要因だ。春闘で賃金は伸びても消費が伸びない要因は円安で物価が高くなったことが大きい。スーパーへ行けば値上げのラッシュで多少の賃金アップでも買い控えることになる。まして、年金生活者や非正規社員の低所得者はとにかく節約ということになる。物価上昇目標2%を掲げていることが裏目に出ている。4~6月期のGDPデフレーターは1.6%と日銀の目標には届いてなくても消費がダウンし、経済成長ができないというジレンマに直面してデフレから脱却できないというのが明確になった。

このブログで何回か取り上げたが円安でバターなど輸入品が高くなるなら関税を引き下げれば良い。食料品にはそのくらいの調整政策が必要で値上げを奨励するようなインフレターゲットは壁に突き当たっている。

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