この2日間中国の人民銀行は通貨元の米ドルとリンクしている基準値を切り下げ、10日に比べると、2日間で約3.5%、ドルに対して値下がりしたことになる。人民銀行は11日、基準値の算出を前日の市場での終値を参考にする方式に変えたと発表。このことで、基準値は市場レートをより反映しやすくなったという。市場は基準値よりもさらに元安ドル高水準で取引が推移しているため、新制度の下では今後、さらに元安が進みやすくなると専門家は解説している。この衝撃は大きく、昨夜は欧米の株式市場は1~2%前後値下がりし、日経225指数も今日は1.58%、327円下落した。
中国の通貨元はこれまで、上昇するドルに対して人民元の基準値をほぼ連動させてきたため、景気が減速して輸出が落ち込んだにもかかわらず、実効レートは過去1年間で10%強も跳ね上がってしまった。従って、3.5%ぐらいの調整はどこの国でもやらざるを得ないし、それほど大きな影響があるとは思えない。円はこの1年20%近く安くなっていることも考えて見よ
では何故世界の株式市場が過剰反応を示したか?中国経済が予想以上に悪化しているんではという疑心がそうさせている。日本の株式市場では中国人の観光客が少なくなるとか使う金が元安で少なくなるとかでインバウンド銘柄が売られ、中国市場に食い込んでいる建機メーカーなども売られた。欧米でも中国市場の悪化が材料となっている。中国経済は崩壊すると行った極端な本も出回っているが、13億人もいる中国市場の実態は誰もつかめないのではないだろうか。かつて北京の友人(中国人)と僻地を回ったが桂林の空港のアナウンスが全く解らないと言って、インフォメイションセンターに駆け込んだことがあった。民族も言語も日本とは桁違いに多い。
しかし中国人観光客を見ていると、この国は年々確実に豊かになっていることが判る。値段が高くなっても品質の良い日本製品やサービスは売れる。心配は日本人側にある。先般知り合いのホテルマンに聞いたら通常1万円の宿泊代を4万円ぼるような有名ビジネスホテルがあると言ってた。
石油ショックの時に千載一遇のチャンスと言って大幅値上げをしかけ、ひんしゅくをかった経営者がいた。それと変わらないことは止めて欲しい。