行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

70年談話の評価はまだ判らない

2015-08-18 23:52:28 | Weblog

先の大戦で当面の的であった米国政府の反応は良いが、マスコミを代表するニューヨークタイムスでは、この談話で安倍首相は新たな謝罪はしなかったと報道している。かつての村山、小泉談話を引き継ぐとしながら謝罪を含めた4つのキーワードを間接表現で淡々と触れたが、積極的な自らの言葉ではないと取られた。中国もこれを言語レトリックで誠意を感じないと反応した。

ニューヨークタイムスの記事では、米国学者のコメントが掲載され、日本ほど過去の過ちを認め謝罪した国はないと安倍首相の謝罪はこれまでという談話に賛意を示している一方、今後の中国の反応を危惧するコメントもある。つまり習近平は現在の経済危機の中、日本と事を構えたくないと言う状況だが、逆に国内の眼をそらすためにこの談話を利用し、反日に利用する恐れがあるとしている。

このニューヨークタイムスの記事には多くの読者からのコメントが寄せられ、そのコメントをセレクトして掲載している。米国民の反応は千差万別、祖父が捕虜として日本軍に虐待された経験を紹介するものが多いが、広島、長崎への原爆投下や無差別爆撃による罪なき日本国民が被った悲劇も認識すべしというオッと思うものもある。中にはスペインはかつて中南米諸国で原住民を虐殺したし、米国でもインディアンを圧迫し虐殺もあったが謝罪したとは聞いてない。

私は安倍首相が何故リスキーな70年談話を出したのか疑問を持っていたが、安保法案と同じく談話をこれで打ち止めにして名を残したかったのではないだろうか。何時までも将来世代に第2次大戦の負の遺産を残したくないという意図は理解できるが、今回の談話に最も不満を持っている中韓を説得なり了解を取り付けることができるかにかかっている。欧州の国は先頭を切って植民地支配をしてきたわけだが、国民は歴史を正面からきちんと受け止めている。朝鮮半島における日本統治の実態を教科書に載せるべきだろう。

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