1990年前後、私が現役の頃日本は経済一流、政治三流といわれていたが、今韓国がそんな状態だ。今年の経済成長率は4%が予想され、日本の倍ほどだ。それを支えているのは半導体、自動車、造船などの輸出で、GDPの半分を占める。5月の輸出も45.6%伸びている。
特に世界一のエレクトロニクスメーカーとなったサムスンの貢献が大きい。ムン政権も半導体業界に4500億ドルも支援する計画で、研究開発費の税控除も合せK半導体戦略として立ち上げた。収賄容疑で2017年から服役している李サムスンCEOも釈放しかねない熱心さだ。サムスンはソウル南部平沢で5ナノロジック半導体や14ナノDRAM工場を新設する予定だ。
こうした背景には、イノベーション競争で今や韓国が世界一というブルームバーグインデックスがある。ブルームバーグインデックスは研究開発費、製造能力、ハイテク上場企業の集中など、7つの均等加重指標を使用して分析したもので、日本は12位とされている。
ブルームバーグの分析では、韓国が首位に立つのは、主に特許活動の増加(1位)によるもので、研究開発と製造部門(各2位)の好調が寄与し、生産性の悪さ36位をカバーし、昨年のトップドイツを抜いてトップに立っている。
韓国では「研究開発は未来には不可欠だ」とほぼ全面的な合意がある、と経営学の教授イ・ギョンムックは述べている。韓国は「まだ技術で上回るより多くの先進国と、より低い人件費に頼って急速に追いついている中国の間に挟まれているから」と言う。