行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

「近い内解散」風が吹き出したが本音は?

2012-11-13 19:01:51 | Weblog

先週の金曜日あたりから衆議院の解散風が吹き出した。野田内閣の支持率は各種調査で20%前後、支持率が上がった9月に解散すればほんとに近い内解散だったが、今更では遅きに逸した。

知人や後輩の国会議員にこのところ本音を聞いたが、職が解かれる衆議員と参議員ではかなり違う。民主党内では解散は出来るだけ延ばしたい出来たら来年の参議院選挙とダブルにというのが衆議員の本音だ。今総選挙をすれば民主党の議席はどのくらい減るか判らないくらい打撃を受けることは確実だからだ。参議員から見れば、負けることは判っているのでなるべく早く総選挙をやって来年の参議院選挙までの間、民主党の立て直しをやり、参議院での第一党を守る選挙をというのが本音だ。

早期解散を求めている各野党の本音も公明党や共産党は本気で年内解散を求めているが、第三極を含めて体制が整えられるまで総選挙を延ばしたいところだ。本日石原新党が旗揚げしたが、日本維新の会との調整は予断を許さない。小沢生活党は年内解散だと税金を財源とする政治資金が入らず当然来年解散をのぞみ、民主党の興石幹事長に期待をしていることだろう。

年内解散を求めている急先鋒の自民党だが、奇妙なことに民主党衆議員と同じで本音はダブル選挙だろう。年内解散で勝ち、安倍政権が誕生しても難問が続く政局で上手く行く保証は無い。前々回の安倍政権での参議員選挙では負けてるだけに次の参議員選挙でも負けることになると短命政権になってしまうからだ。

首長候補の世論調査でも安倍、野田の支持率は低く、決め手が無いだけに「近い内解散」をしてもリセットになるのか、決められない政治が続く可能性が高い。

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昭和記念公園の紅葉と銀杏並木が見ごろに

2012-11-11 15:04:39 | Weblog

JR東中神、昭島口から見事な銀杏の大木が続き、名物の並木も奥の方が色づいてきた

紅葉は日本庭園が見ごろで美しい。池の周囲の紅葉を中心にアップしたが、奥の滝の東屋から見る景色も流水の音が聞こえ何とも言えない。

 

 

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映画版メトロポリタン・オペラを楽しむ

2012-11-09 23:18:47 | Weblog

本年もメトロポリタン・オペラ(MET)の映画館での上映が 始まり、今日はドニゼッティの「愛の媚薬」を鑑賞した。お目当てはアンナ・ネトレプコで期待通りの素晴らしいソプラノだった。今回は更に情けない表情や続いての泣きべその表現では演技力の高さも披露し、彼女の多彩な才能を示した。

愛の媚薬を単なる喜劇に終わらすことなく恋に生き、愛に生きるオペラ本流のテーマで大団円となり、コメディ愛の媚薬としては珍しい演出だ。愛の媚薬の舞台はスペイン・バスク地方で登場する兵隊の帽子や市民の服装には興味深いものがあった。

これまでどおり、今回も幕間に主演者や演出家のインタビューがあり、舞台装置の入れ替えも映し出され、映画版METのサービス精神が発揮されている。これから11本のメトロポリタンオペラが登場するとの予告、来年早々にはアイーダも上映され楽しみだ。

それにしても、最近のストカー殺人事件は愛に狂い悲劇となるさまはやり切れない。

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感動したオバマ大統領の勝利宣言

2012-11-07 21:27:33 | Weblog

予想以上の差でオバマ大統領が再選された。勝因は勝利宣言の演説に含まれている。米国はこの30年ひたすら格差拡大の道を歩んできて、貧者の生活は追い詰められてきた。雇用、医療問題に集約された矛盾はオバマ大統領を再選へと導いた。確かにこの4年間、雇用の改善は進まなかったが、自動車産業の再生ではロムニー候補とは違って労組の後押しもあり、成功した。

貧者が最ものぞんだ医療保険の導入も共和党の激しい反対にあいながら先進国では当たり前の国民皆保険制度に近づいた。そうした現実からさらに、米国らしい未来への希望をあらゆる人種、階層、年齢層に呼びかけ、米国しか出来ない世界のリーダーへ踏み出そうと呼びかけた。

保守層を代表するロムニー候補との象徴的な違いは移民政策であった。勝利宣言の中で、不法移民の子供を受け入れ、その子供が成長し教育を受け、米国のあらゆる分野で活躍し、その中から大統領が出てくるかもしれないというくだりは移民の国米国の面目躍如たるものがあり感動した。

米国が何時までも若さを失わないのは年間300万といわれる移民を受け入れているからで、人種のるつぼこそが元気の源で、未来の希望を持ち、アメリカンドリームが実現する国と、オバマ大統領の勝利宣言から読み取った。

この4年間任期の後半は議会のねじれ現象でオバマ大統領が提出した法案4000本のうち2%しか成立してないという厳しい現実は何ら変わっていないので共和党とどう妥協していくかが大きな課題だ。

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田中文科相の不許可問題があぶり出した文部官僚支配

2012-11-06 22:25:51 | Weblog

田中真紀子大臣の英断?暴挙?で大学関係者やマスコミは大騒ぎ、文部官僚の鉄の支配には誰もが歯が立たなかった。そこを充分意識した大臣の行動は図らずも原子力村と同様の文部省村の実態を白日の下に晒した。

官僚が選んだ設置審議会は大学関係者が多くほぼ永年築いてきた文部省村出身の委員、役所のシナリオどおりのやり取りで大学の設置を決め、大臣が口を挟む余地もなく認可する。これがこれまでのやり方で、800近い大学を増やしてきた。設置まもなく定員にも満たず、閉鎖に追い込まれる大学があるなか、アンシャンレジームは自壊しつつあるのだが。

野党や一部マスコミは子供を犠牲にしているなどと言っているがまだ学生はいないし、認可前に募集をかけているのだろうか。大学が出来れば税金で補助をすることになるのだから頭を冷やして現実を直視して貰いたい。この機会に既成大学も仕分けするぐらいの改革が必要だ。

したたかな文科官僚のことだから、大臣のいう新認可基準なるものを1ヶ月ぐらいで作って、同じ審議会でOKを出すぐらいのことはやってのけるだろう。かくして文部省村は何も変わらず存在し続けることになる。与野党の国会議員は無力感を味わうわけ?どうする。

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収穫多かった日本シリーズ

2012-11-04 21:55:29 | Weblog

今年の日本シリーズは台本のないドラマで実に楽しませてくれた。両チームの役者も多士済々、来年の活躍が楽しみな選手もたくさんいる。最終戦では、両4番打者の活躍が試合を盛り上げたが、阿部は負傷にも拘わらず決勝点をたたき出し、巨人の日本一を決めたし、中田は完全に抑えられていたがスリーランホーマーで存在感を示し、来期以降大打者への一歩を踏み出した。

シーズン中には活躍できなかったが日本シリーズという大舞台で巨人打線を完封した20歳の中村勝投手は来期の活躍が楽しみだ。同じ第3戦で投げ、20歳の巨人宮国投手もハム打線をゼロ封し、更なる自信を付けたことだろう。

野球では、救援投手交代のタイミングが試合の流れを変えることになり、見てる方もハラハラドキドキするが、宮西、山口に代表される両チームのリリーフ投手は懸命に役目を果たそうとする姿を見せ、感動した。日本シリーズが盛り上がったのはリリーフ投手陣にあったと言っても言いすぎでは無い。両監督も投手交代のタイミングには大いに悩んだことだろう。

この日本シリーズで実力が発揮できなかった吉川投手もこの経験を活かし、来期はエースの活躍をしてくれるだろう。二回とも吉川と投げ合った内海投手はMVPを獲得し巨人のエースとして経験の重みを見せてくれた。

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多国籍企業で労使関係が成功するキーポイント

2012-11-02 18:42:57 | Weblog

インドネシアの労働運動に長年携わってきたインドネシア労働組合総連合会(CITU)の前会長で私の20年来の友人であったタムリン・モシイ氏の訃報がもたらされた。彼はパナソニックインドネシアに入社し、同労組の委員長からインドネシア金属労組の書記長、委員長を歴任し、日系企業の労働問題に苦闘された。引き続き、NGOの「インドネシア社会開発センター(ICEDA)」を設立し、良好な労使関係を目指すコンサルティング活動で多忙を極めたがついに病に倒れた。

日系企業にとってインドネシアは重要な生産拠点であると同時に市場であることはいうまでも無い。高度成長の中で賃金闘争も激しさを増しており、モシイ氏の存在は大きかっただけに残念だ。

この4月、インドネシアの日系企業の労使関係や経済、社会問題について語ってもらい国際労働財団のメルマガニュースに掲載した。主な内容は以下掲載するが、全文は同財団のWebを開け、メルマガニュースを参照されたい。

質問 インドネシアの労働組合とCITUの後継者にどのようなことをアドバイスしますか。
モシイ氏 普遍的な労働組合の目的や将来の展望を把握し、広い視野を持って活動を実行することです。特に自由、民主的、独立、代表制、責任感を意識すること。ディーセントワークを求め、貧困を無くすことも重要です。労使の協力を通じて調和のとれた公平な労使関係を構築し、ストライキやロックアウトを避けることです。
特に重要な点は、[1]職場で搾取が行なわれてないか検証する[2]職場で中核的労働基準と基本的権利が守られているか把握する[3]労使紛争が起きた時には過激な行動は取らず、まず社会対話とお互いが有益となる解決策を見出す――ことです。すべての労働組合活動家は、この行動基準を守ってもらいたいと思います。

質問 これからのインドネシアは経済大国へと発展し、日本からも新規に投資する企業が多くあるが。何かアドバイスは

モシイ氏 新規投資会社とその労働組合は、①企業の労務政策は企業文化の一環として重視すること②労務政策は企業文化であると同時に関係するステークホルダーに対する企業の行動規範であり、単なるスローガンではない③労務政策は企業文化の中核をなし、労使関係の行動規範として作用すること――などを理解してほしい。
 また多国籍企業では、現地と自国の文化が混じり合い、労使関係の行動規範がより良い方向へ統合されることが望ましいでしょう。労使関係が成功するキーポイントは両者が学び合い、最良の文化を築くことだと思います。

 

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パナソニック、シャープの決算はガラバゴスシンドロームの果て

2012-11-01 18:07:32 | Weblog

ショッキングな決算発表があった。
1,経営再建中のシャープが、2013年3月期連結決算の業績予想を大幅下方修正し、これまでの2500億円の純損失から過去最大となる4500億円の純損失となる。主力の液晶テレビ事業が不振で多額の損失計上を迫られた。2年連続の巨額赤字で、赤字額は最大だった昨年3月期の3760億円を大きく上回る。

2,パナソニックも2013年3月期の連結最終損益(米国会計基準)の見通しを500億円の黒字から7650億円の赤字に引き下げると発表。やはり昨年の7000億円の赤字を上回り2年間で1兆5000億円という巨額の赤字になる。

日本のデジタル家電を代表するパナソニックが苦悩する原因はこのブログで、円高と過大投資にあると1年前に分析をしたが、日本の電機・電子・通信各社の共通的な弱点としてガラバゴスシンドロームにある。経営者はグローバル化を表明するが、日本国内市場の競争に勝つ高機能商品を作れば世界に通用するというという意識が染みこんでしまった。

確かに、1980年代前半ではカラーテレビ、VTR,FAX等、日本メーカーシェアが9割以上のガリバー的存在で日本での最先端製品は世界の最先端品で日本以外生産するメーカーは殆どなかった。時代は変わり、世界の標準品はいつの間にか日本国内市場だけの商品とは違っていた。端的に言われたのが携帯電話であり、スマホで世界標準品を作るアップルやサムスンにコスト競争で圧倒されることになった。国内メーカーでは1機種20万台で満足していたスマホで見てみると、サムスンの場合、「GALAXY SIII」の1機種で世界販売台数が3000万台という。

カラーテレビのように地デジという日本独自の規格で守られてきた製品へも今後、世界標準で大量生産するサムスンのような中韓メーカーが参入してくるだろう。スマホの二の舞になる可能性もある。

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