行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

知恵が足りないサービス業

2013-01-10 17:39:27 | Weblog

今年の新年会、製造業の関係者は円高に歯止めを、いや1ドル100円ぐらいに戻さないと疲弊は止まらないと言っていた。特にパナソニックやシャープの関係者は経営責任もあるが円高でとどめを刺されたと悲鳴を上げていた。これは1年前の現象と同じで、何の工夫もなく時が過ぎただけで現在進んでいる円安に期待をいだいているとの話だ。

ところが今年はついに好調を続けていた日本マクドナルドが2012年の既存店売上高が9年ぶりにマイナスとなった。05年に100円マックを投入して成長力をつかんだ同社が、小売りを含めた日常食市場での競争力低下が浮き彫りになった格好で、サービス業までがデフレの影響で経営戦略の再構築を迫られている。

私も外出時に、ネットのチェックをマックでするが、スターバックスと違い正直言って入りづらい。中高年向けチキンのメニューを揃えたは良いが、その後のフォローが尻つぼみだ。座ってゆっくり出来る雰囲気ではない。もっと暇な老人が集まれるような工夫が必要だ。

新年会の帰路、ワインばかり飲んで小腹が空いたので回転寿司に寄ってみた。回転寿司でなく回転皿が回っているのに驚いた。ようやく回ってきた寿司も食べたい物ではなく、注文すると10分から15分かかると表示される。気がついて見回すと客が少ないので回す寿司を限定しているのだ。店員もかなり絞り、注文寿司も時間がかかるわけだ。

客が来ない→人件費を節約するため人員を最小限に→回転する寿司を限定→注文寿司にも時間がかかる→売上げが上がらない、客は逃げる。といった悪循環がこの大手回転寿司チェーンでは起きている。もっと知恵を出さないとデフレ脱却は不可能だ。

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連合新年交歓会 安倍首相が挨拶に来た!

2013-01-08 23:47:22 | Weblog

今年は首相は来ないねといいながら出席した例年の交歓会、予想を翻し、時間どおりに安部首相が現れ、来賓挨拶をした。6年前の首相の時は現れなかったが今回来たのは何故か?本人曰く私も脱皮したと巳年を引っかけた冒頭の挨拶、後は3本の矢でデフレを脱却し、雇用者の所得を増やすというリップサービスで会場を後にした。

その前の古賀連合会長の挨拶は働く人の4分の1は年収200万円以下、これを何とかしないと経済が持たないと強調、安倍さんは聞いてないけど、先乗りした石破幹事長や甘利経産相は聞いてるはず、これこそがデフレ脱却の道だ。

悲哀を被ったのは民主党の海江田党首はじめ幹部達、挨拶の機会もなかった。我が後輩の加藤参議員は選対委員長という茨の道に、よく引き受けたな死ぬなよとの問いに、誰も引き受けないので開き直ったとの弁。

安部首相が民主党の支持団体の交歓会に何故来たのか話題にのぼったが、余裕で来たのだという説と比例区の自民党の得票率は前回と変わらないので少しでも勤労者の支持を取り付けたいのだろうという説にわかれた。

交歓会の司会は連合の女性幹部、退場する安部首相に「来年午年も首相として挨拶に来て下さい」との一言で場内は爆笑に包まれたが、この言葉に時間が経つにつれ、賛否両論、来賓に失礼だとか、よくぞ言ったとか、私は安部首相の挨拶中ヤジ一つ飛ばさず聞いていた労組幹部やOBの真摯な態度は安倍さんに与し易しという印象を与えたかもしれず、彼女の一発は反って良かったのではないかと思う。

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東京オリンピックは民間資金で

2013-01-07 21:18:04 | Weblog

申込書の提出でいよいよオリンピック招致が本格的になってきた。今回の開催地は本命はイスタンブール(世論の支持79%)で東京はこのままではまた落選だ。その原因は前回同様世論の盛り上がりがイマイチのためだ。私も今の形では賛成できない。高齢化の日本であまりにもやらなければならないことが東京に限らず多いからだ。

新年早々のトップ記事を紹介しよう。
群馬県渋川市の無届け高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で東京都墨田区からの生活保護受給者ら10人が死亡。介護や生活支援が必要だが、身寄りがなかったり親族に頼れなかったりする高齢の低所得者が、行政の仲立ちで東京から近県の施設に送られている実態が問題化した。生活保護に頼る低所得の高齢者が増え続ける一方、地価が高い都内では受け皿となる施設の整備が進まず、こうした傾向はむしろ拡大している
東京23区で生活保護を受けながら、都外の高齢者施設に入居している人が、昨年10月現在で約1800人に上っていることが、朝日新聞の調べでわかった。2009年1月の約2.6倍になっていた

またNHKニュースでは江戸川区の財政危機で区民サービスの大幅削減を報じた。
江戸川区は経済不況などの影響により、財政状況は年々厳しさを増し、更なる行財政改革の必要に迫られ、福祉タクシーや学校給食費の補助削減など200項目を超える施策の見直しをせざるを得ない。これは他の都の区でも同じだろう。

こうした現状で税金の投入は世論の支持を得られない。税金の投入でなく民間資金でやると宣言して大々的にキャンペーンを行うことが世論を喚起し、支持につながる。大震災の寄付でも判るように日本の国民も寄付行為に馴染んできたことを考えると、税額控除などのインセンティブがあれば対応できよう。格差社会になってしまった日本で高所得層の所得税率を上げることが課題になっているが、寄付を促す税制の工夫も併せ必要だ。

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日本企業、アジアでは人気トップ

2013-01-05 23:44:53 | Weblog

アジアの労組リーダーから「日系企業は一般的には特に問題ない。労働者を人間扱いしない韓国や台湾の企業とは違う」とよく言われるが、外交辞令だろうととっていたが、日経が学生やビジネスマンを対象に調査したところ、働きたい会社のトップは日系企業で38%、次いで米国企業が30%、韓国や中国の企業は2%にすぎない。成長するアジアの勢いを日本に取り込むとよく言うが、希望の持てるデータだ。

日系企業でも労使がするどく対立することもあり、当然ストライキを打たれることもある。しかし、逃げずに真摯に話し合う(団体交渉に入る)のが日系企業の評価される点だ。何もかもほったらかして社長が本国に帰ってしまうこともしばしばある他の国とは違う。

ただ、同調査では、よく言われる日系企業の欠点も指摘されている。即ち「日本人以外はトップになれない」「労働時間が長い」「自由な意見が言いにくい」といったことだ。特に注意しなければいけないのは、日本では普通の残業が東南アジアなどでは特別なことで割増賃金率も欧米並みの水準で5割増しは当たり前だ。

管理者や経営陣も現地人で優秀な人を抜擢しないとすぐ転職される。日本で研修までして育成した人材も処遇を含め活用しないと転職されることがしばしばだ。転職 されないためには、この会社に居れば確実に生活が良くなるということ、そして将来自分の能力が高まるということは日本もアジアも同じだ。

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今時の人事労政のやり方

2013-01-03 23:26:25 | Weblog

大晦日の朝日の一面トップ記事、パナソニックの子会社が人員整理の一環として、「追い指し部屋」を設け、希望退職に応じない者をそこへ配属転換しているという。シャープも上司から退職を迫られ「雇用を守る姿勢を明確にしていたシャープの社風は誇りだった」と言って退職したという例まで掲載されていた。

その追い出し部屋にいる従業員や家族はこの記事を読んで暗澹たる気持ちで新年を迎えたことだろう。このやり方は先日ブログで書いたブラック企業と変わらない。こうした人員整理のやり方を指導するコンサルタント企業は成長産業だとさえ書いている。

こんなやり方はどれだけ企業価値を貶め、再建を担う従業員の士気を損なうことを人事部は考えたことがあるのだろうか?企業は人なりとよく言われるが人材を育て、能力を開発することが人事部の役割で最近はヒューマン・リソース部略してHR部ともいわれてきた。無能の経営者の過剰投資で2年間大赤字だからと言っても、貧すれば鈍だと言うことで済む問題ではない。

1970年代、電子化の大波が電機業界に押し寄せ、工場の従業員全体が電気や機械の知識はあってもエレクトロニクスの知識はなく、工場を休止してでも電子教育を徹底して乗りきった人事部の陣頭指揮ぶりが懐かしい。

日本を代表するパナソニックの将来はそこに働く人のやる気にかかっている。

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明けましておめでとうございます

2013-01-01 16:25:01 | Weblog

元旦に届いた多くの賀状で日本の行方について心配だとの声が、
その漠然たる不安の基は
1,日中韓がお互いに平和を維持しようとする努力と決意が必要だが、その姿勢が感じられない。
2,税と社会保障の一体改革の進捗、
3,新政権は原発稼働に前向きだが、肝心の核廃棄物の具体策には口をつぐんでいる。
参議院選挙までは当たらず障らずの安全運転で、政治が停滞する可能性大だ。その典型がTPPに対する煮え嫌い態度で、経団連には前向き、農業団体には後ろ向きで参議院選に臨もうとしている。選挙次第で何が飛び出すのか判らない。

景気対策と称して、旧来の公共投資や金融の一層の緩和(お札をばらまく)で選挙前までは株価を上げて行こうとしているが、ほんとの景気回復は非正規社員を含めて庶民の懐が豊かにならないと長続きしないことはこの失われた20年で立証済だ。失態を繰り返してきた経済学者と政治家の言動に不信感をいだいていることが不安を助長している。

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