行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

いつもと違う2013年春闘

2013-02-09 18:53:22 | Weblog

今年の春の賃上げはこれまでにない様相で、連合傘下の主な産別の要求は自動車、電機、情報などは昨年どおり、デフレ下の要求でベースアップはゼロ、定期昇給ないし、賃金カーブ維持分と業績による一時金から構成されている。ベースアップを要求するのは2500円を要求する私鉄総連ぐらいだ。ところがデフレからの脱却を目玉にしている安倍内閣は賃金引き上げをこれまでの内閣より熱心に経済界に要請している。

これに答えて産業競争力会議のメンバーである新浪剛史ローソン社長は7日、20歳代後半から40歳代のグループ正社員約3300人のほぼ全員を対象に、年収を平均3%引き上げると発表した。ただ、賃金の引き上げでなく賞与に上乗せする形で1人当たり平均15万円を支給するという内容だ。いわゆる「子育て世代」の所得を引き上げるのが狙いとしている。

春闘の交渉が始まる前に回答が出たようなものだ。このローソンのやり方はトヨタ労組のように一時金要求を主体とする方法を先取りしたもので春闘交渉に及ぼす影響は大きい。賃金部分を膨らませないで一時金で従業員の要求に応えるやり方だと人件費の柔軟性は保てるが、民間賃上げで最低賃金が決まることから最低賃金の引き上げ幅には影響せず、賃金格差の是正は出来なくなる。

デフレからの脱却には雇用者の7~8割を占める中小企業労働者や非正規労働者の賃金を底上げすることが喫緊の課題で、政府が雇用所得を増やし、消費を増やし、消費者物価2%を目指すには最低賃金の引き上げをデフレ脱却特別措置として東京都で1000円(時間給)ぐらいの底上げが必要で、労働組合も頑張って貰いたい。

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中国バブルの終わり

2013-02-07 13:09:25 | Weblog

中国バブルといっても中国経済のことではない。もっと大きな中国という国家そのものへの日本人の期待感がバブルのよう膨らんで、破裂しついに終わりを迎えているという意味だ。人間の心理とは不思議だ。振込詐欺にしても、思い込み、思考停止で引っかかる。他人からすれば何で息子に確かめないで振り込んでしまうのだろうと思うが、本人にしてみれば考える余裕がないように仕組まれるわけだから虎の子の大金を振り込んでしまう。

日系企業の中国への大挙した投資は、10%の高度成長、13億人のマーケット、勤勉な労働者という背景があった。日本の企業は横並びでライバル企業が投資をすると、リスクについては思考停止で巨大な市場に乗り遅れるなとなり、いつの間にか引くに引けない状況となってしまった。1989年私は電機業界労使で招待を受け訪中し、最初に工場を建設した松下のブラウン管工場や上海の三菱エレベータ工場、深センの三洋などを視察した。当時は技術援助含みの進出で大歓迎された。

その後の中国の大発展は外資の工場からの輸出が寄与したモデルで、発展論として歴史的なことだ。10%の高度成長で上海はマンハッタンをモデルにして超高層ビル街が出現し、不動産投資のブームは全国に拡がった。この光景を見ると日本人誰もが中国に投資をと熱気をおびたことは間違いない。日本を代表する企業のいくつかは中国銘柄といわれるくらい中国市場に入れ込んでいる。しかし、尖閣列島事件で中国に対する期待バブルは一気に破裂した。

1989年に訪中した時には「中国は井戸を掘った人を大切にする」と歓迎の席で言われた。ところが尖閣列島事件でデモを扇動し、パナソニックの工場を襲わせ、日系スーパーの商品は略奪された。中国に対するパラダイムチェンジが必要で冷戦状態の中での限られたお付き合いとなると思考を切り替えなければならない。。

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バブルを煽るな

2013-02-05 23:28:17 | Weblog

インフレターゲット2%を設定、金融緩和期待から円安傾向、そして株価は12週連続上昇と証券業界は騒然となりだした。株のセミナーはどこの会場も満員とのこと。しかし、企業の10~12月期決算の内容は必ずしも良いとは言えない。予想より減益とか赤字転落といった企業も出てきて実体経済は異なる。

円安といってもまだ92円程度、購買力平価での95円~97円には届いていない、円高が是正されてる過程といった方が正しい。100円を超えれば円安という言葉を使っても良いのではないか。それなのに証券業界のアナリストは円安だから円を持つリスクを回避するために株、外貨、金を持てと吹聴している。バブルになっているからとにかく現金を持つな貯金を下ろして投資を、人より先にやれと煽っている。

バブルの経験を持つ私たちの年代から見ると危なっかしくてつい口を出したくなる。バブルが史上初めて起きたのは1637年にオランダで起きたチューリップ・バブル事件だ。貴族の趣味でオスマン帝国から輸入されたチューリップはそのあでやかさで人々を魅了したが、新種のチューリップ球根に人気が集中し、投資の対象となり、庶民までが家財道具を売って投資を始めると異常な高値がついた。高くなりすぎた球根は買い手が付かずやがて価格は100分の1以下にまで下がり、オランダ経済は混乱に陥った。チューリップ・バブルは人の心理は付和雷同で異常になり、解明できない行動をすることを示した。

日本のバブルは土地という希少性をねらって起きて、日本の時価が広い米国の数倍になるとうあり得ない事態まで膨れた。庶民に借金をさせ賃貸アパートを建てさせるという愚挙や民営化したNTT株の公募に群がり、宝くじ並みの抽選会が開催された。一株でも当たった人はすぐ処分すれば車が買える儲けが1日の内に実現した。そうしたことがマスコミに報道され、株を買わないと不安になるという心理をかもしだし、前述のオランダ人と同じ行動を取る庶民が続出した。3万円近くまで上った株価や膨れた地価は破裂して多くの悲劇をもたらした。

11000円の株価がいくらになったらバブルかということは言えないが、適正な株価の範囲は明確に判るわけだから株を買うにしても冷静な判断が可能でアナリストの扇動に乗らないことだ。バブルの被害を受けない注意点としては、借金してまで投資をしないこと、株価が半分になっても生活に困らない範囲で投資をすること、素人は先物に手を出さないこと、外貨を買うには外貨預金程度にしておくこと

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春の兆し昭和記念公園

2013-02-03 21:28:33 | Weblog

ここのところ暖かくなり、昭和記念公園では色々な花が咲き始めた。公園側の工夫もあり、立川口のふれあい広場では可愛いアイスチューリップが咲いている。昨年登場した寒菜の花畑は砂川口、花の丘の北側に移された。

アイスチューリップ

スノウ ドロップ

福寿草 ようやく咲き始めたところ

素心蝋梅 今が盛り

今日は節分 節分草も今が盛り

寒菜の花

 

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オリンピック選手への暴力、全柔連幹部は辞任を

2013-02-01 23:21:37 | Weblog

桜宮高校のバスケ部での監督による暴力事件で、体育会系の驚くべき実態が全国で告発されだした矢先、最高レベルの女子オリンピック選手15名が連署し、岡田監督の暴力を上部の全柔連でなくJOCに訴えた。当初、知らせを受けた全柔連の幹部は監督を戒告処分にしたと発表、訴えた選手から話も聞かずに収めようとした。

こんな監督の下で選手生活が続けられるわけ無いのにおかしなことをすると誰でもが思ったろう。こうした常識が柔道界の中では通用しないのだろうか?当然世論の厳しい批判を受け、JOCからの指導もあり、監督は辞任したがなおも全柔連上村代表は「選手との信頼関係が築けず残念、本人の意志が固いので慰留しない」などと見当外れのコメントを出している。

全柔連幹部は何故選手が自分たちを通り越してJOCに訴えたのか考えないのだろうか?要は監督を任命し、その指導方法を黙認してきたため選手から信頼されてないからで、上部に訴えても解決されないと判断されたためだ。この判断は上記のように正しかった。今の全柔連幹部の指導では選手の信頼を得ることは難しい、人心を一新すべきだろう。

国際的にも国を代表するアスリートである柔道選手に対する監督の暴力は厳しく指弾されることになるがこれに全柔連はどう答えるのか現幹部では乗り越えられないだろう。

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