行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

国の借金残が1000兆円を超えた記念すべき年

2013-08-12 23:38:23 | Weblog

国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が2013年6月末時点で1008兆6281億円になった。7月1日時点の総務省の人口推計1億2735万人をもとに単純計算すると、「国民1人当たり約792万円の借金を抱えていることになる」と報道された。国の借金残が1000兆円を超えた記念すべき年となったが、この報道国民1人当たりの借金を計算してるが何となくおかしいのだ。私はそんな借金したことがない、勝手に計算しないでほしい。財政が大変だということを強調し、脅かしてるような感じなのだ。

1000兆円は国債を保有してる人や機関に対する借金で、内訳は外国人が保有してる率は9%、大部分は日本の個人か金融機関や年金基金、そして最近では日銀が保有してる。かつてアルゼンチンの国債がデフォルトとなり、日本でも被害に遭った個人や組織があった。万が一、日本の国債がデフォルトとなったら、外国人の被害は小さい。国内で徳政令が引かれた状態となる。GDPの2倍以上も借金があると発表されても円が安くなるどころか高くなったのは日本国債の保有者の特殊事情を外国は見ているからだろう。つまり日本政府の借金は日本人が持っているから何とかするだろうと・・・・

そしてここへ来て消費税増税の日程が俄然大きな政治課題となった。昨日発表されたGDP速報値は4~6月期年率2.6%と民間の予想3.6%を下回ったため、規定どおり消費税率を来年8%にしないで1%ずつ上げるべしという論が内閣官房参与の本田教授や浜田教授から強調されだした。呑気に構えている外国勢も日本の特殊な膨大な借金に注目しだした。

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芥川賞作家、多和田葉子氏と文学を語る会

2013-08-10 23:52:05 | Weblog

高校の後輩である多和田さんが母校に来るというので文学には日頃縁のない私だが、芥川受賞作品「犬婿入り」の特異性と早稲田を卒業してすぐドイツに渡ったという思い切りの良さに興味を引かれ、参加した。彼女と同期(高卒30期)の方々や親友らしき人もいて、率直な質問が多く、文学作品の書き方、発想の原点など自分とは別世界のことが出てきて、知的刺激で暑さもすっ飛んだ。

知らない世界とは言え、芥川賞と直木賞ぐらいは知っていたが、多和田さんがもらった文学賞は群像新人賞、泉鏡花文学賞、伊藤整文学賞、紫式部文学賞、野間文芸賞、読売文学賞、ドゥマゴ文学賞と日本にこれほど多くの文学賞があるとは先ず驚いた。小説を書くに当たって、終わりまでのストーリーを完成させてから書き始めるのではなく、書きながら発想が出てきて展開し、終わるという手法を取っている。したがって彼女は平行して2つの小説を書くことはできないとのこと。

多和田氏はドイツに渡って、しばらくしてドイツ語で小説をかくようになり、ここでも文学賞をもらっている。印象に残ったのはドイツ語で書いた自分の小説を日本語に訳すことの難しさを強調していた。このあたりから言語の話題が出てきてドイツ在住の長い同期生から「自分はドイツ語をしゃべっているとドイツ人のような感覚になる」と言葉の不思議さに触れた。私は英語ぐらいの経験だが、飛行機に搭乗し、キャビンアテンダントの日本語のアナウンスを聞き、すぐその後英語で同じ人が同じアナウンスをするがいつも違和感を感じる。日本語の方がやさしさとか暖かさを感じるが、同じ人の英語アナウンスではぶっきらぼうとか事務的といった感じになる。由紀さおりがロンドンでブレイクしたときの言は、日本語での歌唱が意味不明でも癒やし効果があり、英国人に受けたとの事例も言葉の力なのかもしれない。多和田氏は言語学にも研究を広げてる。

私の知らなかったドイツの一面、文学の朗読会が日常的に行われ、有名作家でも自分の作品の朗読会をしばしば行うということだった。次回は多和田氏の朗読を聞いてみたい。

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アベノミックス、始まりだした便乗値上げ通告

2013-08-08 23:19:06 | Weblog

98歳の母が受けているディケアセンター、ユニマットそよ風から「昨年からの円安なども加わり、食品・燃料費等の諸物価の上昇傾向が顕著となっており」から始まる値上げ通告書が郵送されてきた。食費が750円が800円に滞在費が2600円が3100円にそれぞれ6.6%、19%の値上げだ。デフレ脱却を唱え、アベノミックスを支えるリフレ派の経済学者にとって乾杯ものだろう。

それにしてもこの文書70年代のインフレ時代を思い興させるが、円安が直接響かないディケアセンターから先頭を切って通告されたことは予想外であった。諸物価の上昇傾向が顕著と言うが、消費者物価の上昇率はわずか6月0.2%、値上げ率は0.2%をはるかに超えるものだ。サービスを受ける高齢者の大部分は値上げしたらもうディサービスには行かないと言えないことを見越しての通告だろう。大企業が経営するこうしたディケアセンターこそが経営努力をするところだろうが、物価がどのくらい上がるのか判らない中で、さっさと値上げすることは70年代に流行った便乗値上げと言われても仕方ないだろう。

本日は、1ドル96円台へ円高に戻り、物価上昇率がどうなるか?リフレ派の期待する2%に達するにはかなりの便乗値上げが必要だ。

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海外旅行のおとも必携品あれこれ

2013-08-07 00:25:13 | Weblog

日本にあって海外にないものの典型はウオッシュレットだろう。日本ならビジネスホテルでも旅館でも備えられているが、海外では五つ星ホテルでもない。私は携帯ウオッシュレットを必ず持って行く、前は電池駆動の家電品だったがけっこう重いので、手軽に使える小型の手動ペットボトルスタイルのものにしてる。

かつて仕事での出張では重いノートパソコンと充電池、モデムを持参した。現在のPCは軽量になってるがそれでも観光には重すぎる。だけどメールとや日本の新聞やニュースを読みたいので、私はタブレットのネクサス7とガラ携を持っていく。現在、海外のホテルではWi-Fi環境が整えられつつあるが、有料の場合(24時間3000円のケースも)と無料の場合がホテルによって異なる。有線ランの端末はけっこう普及しているので部屋の端末に無線ルーターを付ければ環境はWi-Fi化する。小型無線ルーターは2300円ぐらいで手に入るので必携だ。もちろんスマホを携行しても使える。変換用プラグは充電もしなくてはならなので3~4個ぐらい必要だ。

海外から携帯電話を通話に使うと通信量が高いのでなるべく連絡はメールでするかスカイプなどの利用がお薦めだが、時差があることを考えると、メールが一番だろう。ホテルのビジネスセンターでPCを利用しても良いが何となくウィルスがこわい、パスワードを使わないWebの閲覧ぐらいにしておいた方が良い。

最後はやはり食い物だが、米国など肉が多く出そうな国には醤油とかポン酢があると安心だ。行きのトランクはガラガラだと思うので軽いカップ麺など詰めて行くと食えないようなしろものが出てきたときに役立つし、時差で食欲がないときには食べられるものだ。

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安い海外パック旅行にご用心 その2

2013-08-04 18:34:22 | Weblog

旅程について確認すべきことはどの航空会社を利用するのかがけっこう重要だ。欧州便では朝発って夕方現地に着くのが常識であったが、欧州で乗り継ぎぐらいならその日に着くが、安いパックだとソウル経由とか中東(ドバイ、ドーハ)経由で、その日に着かないケースも出てきた。経由地で5時間ぐらい待たされるからだ。最近はかつて仕事で良く使ったパリ行き夜行便もパック旅行で使われ出した。これだと成田を深夜発ちパリに早朝4時頃着くので、充分睡眠が取れないと観光に辛い。

帰路の便の時間もチェックが必要で、パリやフランクフルト発でいえば、JALやANAだと夜便なのでその日に観光もできるが、午前中出発する便だと空港に行くだけでその日はつぶれてしまう。同じ6泊8日の旅程でも、観光1日分の差が出て来るのでパックの値段と検討してみることだ。

燃料費のチャージも欧州便で4万~5万円もするので馬鹿にならない。12月ぐらいの出発ならけっこうチャージこみのパックもあり、美術館巡りが目的なら冬出発が安上がりだ。
日本人相手のパック旅行なので、食事付きの場合、欧州では殆どスモールポーションでナポリのピザも小さい。私はそれでも充分だが、何となく損した気分になる。日本人客用の席が用意されていること多く、他の客の量と比較しにくくしている。K社でイタリアに行った時、ワインが酸化していて、クレームを付けようにも添乗員は同席していなくて困りレストランを探し回ったときに他の客の量を見てしまった。

酸化で思い出したが、ハワイ島の一流リゾートに職場旅行したときのこと、ホテル内のイタリア料理店でパンに付けろとオリーブオイルが出たが、これが古くて酸化していた。パスタもグニャグニャ、アルデンテという言葉知ってるかとつい嫌みも。同僚が寿司屋に行ったらネタが干物のようだったと嘆いていた。周りが溶岩以外なく、ホテル内で食べるしかないので、殿様商売だ。リゾート内の川に船を浮かべ、星空を眺めたのが良い思い出だったが、それ以来ハワイには行ってない。

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安い海外パック旅行にご用心 その1

2013-08-03 23:42:31 | Weblog

定年後、毎年行く海外旅行が生活のアクセントとして定着し、このブログでもつたない旅行記を掲載してきた。私の場合予算上、大手旅行社のパック旅行を利用せざるを得ない。今年の夏も多くの人が期待に胸ふくらませてパック旅行に出かけると思う。自分の経験からいくつかの心得を紹介し、旅行が良き思い出となるように祈りたい。

私がもっぱら利用した旅行社は阪急トラピックス(以下H社)とクラブツーリズム(以下K社)、他にはHIS,JTB,なども利用したが毎週のように来る販促パンフレットのためかH社、K社が主となってる。企画数からいうと10年前ぐらいはH社が他を圧倒していたが、現在ではK社の方が多い。かつては旅行いえば、交通公社だったが、様変わりとなっている。

安かろう○○かろうだったのはHISで行ったマカオ・香港だった。添乗員なしのパック旅行だと、現地の契約旅行社とガイドがその旅行の成否をになう。マカオではチェックインまで現地添乗員がやってくれたが荷物が部屋に来るチェックをせずに帰ってしまい、来ない荷物を待つこと1時間、しびれを切らし自分でホテルと掛け合い荷物を探し持ってきてもらった。翌朝、集合時間になってもガイドは来ず、現地事務所に連絡を取ってようやくガイドが来る始末。帰国して報告しても何のリアクションもなく、今後利用しないことにした。
先日行ったタヒチはK社のパック旅行で、成田に集合したら自分たち夫婦二人だけで、個人旅行のようだった。現地の旅行社は優秀で、たった二人で儲からないと思うが実に丁寧なガイドをしてくれた。添乗員無しでも、現地の旅行社やガイドが優れていれば素晴らし旅となる。

旅の楽しみは個人の好みや目的地によって異なる。多少食い物やホテルが悪くてもスイスのアルプスの素晴らしさに感動した。フランスやイタリアへの旅行では食事の楽しみもやはり期待する。数年前、H社で10日間フランス巡りのパック旅行へ出かけたが、これも安かろう○○かろうの典型だった。ホテルはスタンダートクラスということで、荷物は自分で部屋へ運ばなければならなかった。10日間だとスーツケースの荷重は15Kg前後、エレベーターのないホテルでは大騒動、スーペリアクラスだと、ポーターもいるのでこんな苦労はしなくて済む。おまけに食事がフランスにしては不味いのに往生した。カジキマグロが出てきても味がついてない。醤油持参の人はラッキーだったが、そうで無い人は塩を要求してた。なまじ食事付きより、半分は食事無しの旅行を選び、食事は自分でうまそうな店を聞いて行くことにしてる。ホテルは名前がわかってればネットで設備を確認した方が良いだろう。けっこうバスタブの無い部屋も多い。

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映画「風立ちぬ」は堀辰雄の世界に堀越二郎の自伝が見事に重なる

2013-08-01 23:19:15 | Weblog

評判のアニメ「風立ちぬ」を見た。我々の年代だと堀辰雄の小説「風立ちぬ」のアニメ化と思ってしまう。映画が始まると、かの有名な零戦設計者堀越二郎の自伝なのでちょっとびっくりするが、やがて菜穂子の登場で、堀辰雄の「風立ちぬ、いざ生きめやも」の純愛編に引き込まれて行く。現在のがん以上に当時は不治の病であった肺結核を患う菜穂子へのひたむきな愛、舞台は小説と同じく富士見高原療養所、残された時間が惜しく、菜穂子が名古屋の堀越の処に病を押して駆けつけ祝言を挙げ、短い結婚生活、いざ生きめやもが思いおこせる。堀辰雄の「風立ちぬ」の世界に堀越二郎の自伝が見事に重なる。
ちなみに小説「風立ちぬ」のヒロインは節子だが、堀のもう一つの富士見高原療養所を舞台にした小説は「菜穂子」である。

もう一つの見所は、航空機設計という最先端技術の開発場面で、同盟国ドイツで「日本人はすぐ真似をするから重要な技術は見せられない」とばかにされ、堀越は発奮する。当時の日本は技術水準が低く、先進国に追いつくためには手っ取り早く真似をすることだった。戦後でも、60年代まではこの傾向が続いていて、堀越のような技術者の献身的な努力で何とか先進国に追いついたこともこのアニメの言いたいところだ。堀越の言「デザインは美しさを追求しなければならない。技術は後からついてくる」は現在の日本のものつくりへの提言とも取れる。

おまけは、関東大震災の恐怖の場面があるが昭和の懐かしい風景と高原の美しい風景だが、後者はやはり小説「風立ちぬ」の舞台軽井澤と富士見高原の自然だ。

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