あかない日記

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几号水準点

2020-06-06 | 出来事・行事

一石橋の迷子石



先に「一石橋迷子さがし石標」
に触れたが

その標石の正面下部を
よく見ると「不」に印があった。

 

この印は 迷子とは全く関係がなく
明治期になって刻み込まれた
「几(き)号水準点」とよばれるもの。


(国土地理院・地図と測量の科学館)

1876(明治 9 )年ごろに
内務省が実施したイギリス式の
高低測量点で

記号が 机に類似して
いるところから「机=几」とされた。

また不号水準点ともいわれたという。

当時東京市内の各所
独立した標石のほか

恒久的な建築物や
石組み等に刻まれたりした。


その後は測量方式が
変更されたりして

使われなくなった。

その使い方は 
水準点の横棒部分に
測量器具をあてて
標高を計測した。

基準点は霊巌島水位標を
ゼロメートルとした。

 

*霊巌島水位標については
当ブログ

2011/5/31 大地震 地盤沈下 
で触れている。

 

また 水準点とは、
水準測量に用いる際に
標高の基準となる点のこと。

測量法で定められている
測量標の一つであり、
永久標識に分類される。

水準点には国土地理院が
基本測量として設置・管理する
「~等水準点」と

地方公共団体が公共測量として
設置・管理する
「~級水準点」とがある。

 

以下は“几号水準点”が
見つかった都内各所。

靖国神社大燈籠台座

湯島神社 鳥居左側石柱

お茶の水ニコライ堂 司教館脇


他に 江戸城本丸石垣
桜田門城門石垣
上野浄妙寺 等
都内百数十箇所にあるという。

 

(参照:ラパンヴVol3 地図の謎 ほか)