一石橋の迷子石
先に「一石橋迷子さがし石標」
に触れたが
その標石の正面下部を
よく見ると「不」に印があった。
この印は 迷子とは全く関係がなく
明治期になって刻み込まれた
「几(き)号水準点」とよばれるもの。
(国土地理院・地図と測量の科学館)
1876(明治 9 )年ごろに
内務省が実施したイギリス式の
高低測量点で
記号が 机に類似して
いるところから「机=几」とされた。
また不号水準点ともいわれたという。
当時東京市内の各所
独立した標石のほか
恒久的な建築物や
石組み等に刻まれたりした。
その後は測量方式が
変更されたりして
使われなくなった。
その使い方は
水準点の横棒部分に
測量器具をあてて
標高を計測した。
基準点は霊巌島水位標を
ゼロメートルとした。
*霊巌島水位標については
当ブログ
2011/5/31 大地震 地盤沈下
で触れている。
また 水準点とは、
水準測量に用いる際に
標高の基準となる点のこと。
測量法で定められている
測量標の一つであり、
永久標識に分類される。
水準点には国土地理院が
基本測量として設置・管理する
「~等水準点」と
地方公共団体が公共測量として
設置・管理する
「~級水準点」とがある。
以下は“几号水準点”が
見つかった都内各所。
靖国神社大燈籠台座
湯島神社 鳥居左側石柱
お茶の水ニコライ堂 司教館脇
他に 江戸城本丸石垣
桜田門城門石垣
上野浄妙寺 等
都内百数十箇所にあるという。
(参照:ラパンヴVol3 地図の謎 ほか)