あかない日記

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小説家 田宮虎彦

2021-04-09 | 人物忌


 (朝日新聞 1995/11/02)

 

4月9日は 
小説家  田宮 虎彦 が亡くなった日

田宮虎彦は

1911(M45)年  東京に生まれる。

船員だった父の転勤のため
姫路・神戸・高知間で移転を
繰返しながら少年時代を過ごす。

東京帝国大学文学部国文学科在学中から
同人誌「日暦」に参加し
小説「無花果」などを発表した。

1936(S11)年
 「人民文庫」創刊とともに参加するが

 治安維持法により度重なる
 発禁処分を受けた人民文庫は廃刊

   その後 女学校教師などを
 しながら小説修業を続ける。

1947(S22)年
 「世界文化」に発表した「霧の中」で
  注目され 小説家生活に入る。
    「物語の中」「落城」「末期の水」
 「菊の寿命」等を発表。

    太平洋戦争時代に取材した
 自伝的作品「菊坂」「絵本」「足慴岬」等
    精力的に作品を発表
1951(S26)年
 「絵本」で毎日出版文化賞を受賞

1956(S31)年
 妻を胃癌でなくす。

 妻・千代の妹は
    英文学者 小田島雄志(1930-)の妻

1957(S32)年
 亡き妻との書簡集をまとめた
 「愛のかたみ」がベストセラーになる。

1988(S63)年1月
 脳梗塞で倒れ、右半身不随に
同年4月9日
 北青山のマンション11階
   ベランダから投身自殺


脳梗塞が再発し手がしびれて
思い通りに執筆できなくなったため
命を絶つとの遺書。

享年77。

 

「足摺岬」は
 1949(S24)年に発表した小説。

    絶望した帝大生が断崖絶壁の足摺岬に
    向かう途中
宿屋に転がり込み
    宿屋の主人や娘
同宿の温かい人情に
   触れるうちに立ち直っていく。

 

映画「足摺岬」は 
1954年 近代映画協会から

監    督 吉村公三郎
出演者 木村 功 津島恵子

音楽は 伊福部 昭 が担当している。