12/4朝日新聞で、国際学習到達度調査(PISA)の結果についての記事があって、「数学応用 日本の課題」という見出しになってます。
←日本の教育どこへ行く。
なんか、今回の調査では、「脱ゆとり」が奏功して(かどうかはともかく)、全体では上がり調子だったそうだけれども、悪かったのは「数学応用」だというんですね。特に「量(数の並び方のパターンを見つけ出したり、量の相対的な大きさを理解したりする」が低い順位だったとあります。
んで、ここでいう「数学応用」というのはどういう問題かというと、紙面に載ってるのは「量」の中でも正答率が低めだった(56%)もの。
前フリとして、海上輸送で燃料節約のために船に凧のような帆をつけて風力利用しようという開発が進められているという話があり、
------【問1】
凧のような帆を使うメリットは、帆の高さを150mまで揚げられる点です。その高さであれば、風速が船のデッキ上と比べて25%速くなります。船のデッキ上で測定した風速が24km/hのとき、凧のような帆に吹き込む風の強さはおよそどのくらいになりますか。
A 6km/h
B 18km/h
C 25km/h
D 30km/h
E 49km/h
---------------
数学応用といいつつあまり単純なので、何かひっかけでもあるのかとつい疑ってしまいますが、そのまんま「D」が正解です。しかもこれは計算力を問う問題ではないので、電卓も使用可だそう。ちょうど25%なんだから、24の1/4の6を足せば電卓要りませんけど…そんなこと考えないで、「かける1.25」と押してもいい。
対象は15歳というから中三です。四割くらいの子が、「25%増し」のなんたるかもわからずに義務教育を終えていくところを想像するとかなり寒くありませんか。
はなひめが小三から小四にかけて、バレーボールの試合当番でつきそったりすることがあったのですが、あるときに小六の女の子たち4~5人がいっしょに宿題の計算ドリルを解いていることがありました。お互いに教えあってどんどん解いていたのですが、あるところで詰まって、誰もわからなかったので手近にいた大人(私)に聞いてきました。
問題は、「200人の60%は何人か」というもので、自信なさげなメモ書きで120という数字があり、200×60= と書きかけてぐちゃっと消してあり、200÷60= と書きかけてぐちゃっとまた消してあります。どうも、日常的な感覚からいって100人の60%は60人だと思うし、その倍だから120人だろうと。でも、どうやって120になるかわからない。かけても割ってもうまくいかないよ??
「これの答えは何ですか」と聞かれたので私は、「この答えで合っているよ。60をかけるのはいいんだけど、60倍じゃなくてパーセントだから100で割らないとね」と言ったのですが、その子は「あ、120でいいんだ。終わった!!(^-^) ありがとーございます」といって式は書かずにすぐしまってしまいました。
これは非常に印象的な出来事でした。ひとつは、会話などからいって十分、普通以上の知的能力を持っていると思われる子たちが数人集まっていて、誰も「%」の扱いを理解していなかったこと。これは卒業間近の出来事ですから、わからないまま小学校卒業になりますね。
それと、この子たち…少なくとも、質問をした子については、薄ぼんやりと答えを推測していたことからして、日常的な感覚としては60%がどのくらいを指すのかわかっているということです。それなのに、それについて学校で習ったときにそれが式と結びついていない。
こういう子のかなりの部分が、三年たってまた似たような状況のまま中学校を卒業していくことになるわけですね。
中学受験塾に通ったとしたら、さすがにいくら算数苦手な子でも、このへんクリアして中学生になりますからね…
受験をするにせよしないにせよ、「放置」のままにするのはやめようと思ったのでした。またろうは、まさか%がわからなかったりはしなかったですけど、それは算数・数学が得意だからであって、社会のほうは「バカ地図(*)」状態で義務教育終了しましたから。
苦手でも、興味関心なくても、最低限ってことがあると思うんです。「%」もそのうちのひとつ、かなり大きなひとつだと思うんですよね。っつか、そんなにわかりにくいのかな??
(*)…「またろう、鳥取と島根はどっちがどっち??」と聞いてみると「えーと、鳥取が、北!?」という大ボケをかましたエピソード。(→またろうの「バカ日本地図」)
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なんか、今回の調査では、「脱ゆとり」が奏功して(かどうかはともかく)、全体では上がり調子だったそうだけれども、悪かったのは「数学応用」だというんですね。特に「量(数の並び方のパターンを見つけ出したり、量の相対的な大きさを理解したりする」が低い順位だったとあります。
んで、ここでいう「数学応用」というのはどういう問題かというと、紙面に載ってるのは「量」の中でも正答率が低めだった(56%)もの。
前フリとして、海上輸送で燃料節約のために船に凧のような帆をつけて風力利用しようという開発が進められているという話があり、
------【問1】
凧のような帆を使うメリットは、帆の高さを150mまで揚げられる点です。その高さであれば、風速が船のデッキ上と比べて25%速くなります。船のデッキ上で測定した風速が24km/hのとき、凧のような帆に吹き込む風の強さはおよそどのくらいになりますか。
A 6km/h
B 18km/h
C 25km/h
D 30km/h
E 49km/h
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数学応用といいつつあまり単純なので、何かひっかけでもあるのかとつい疑ってしまいますが、そのまんま「D」が正解です。しかもこれは計算力を問う問題ではないので、電卓も使用可だそう。ちょうど25%なんだから、24の1/4の6を足せば電卓要りませんけど…そんなこと考えないで、「かける1.25」と押してもいい。
対象は15歳というから中三です。四割くらいの子が、「25%増し」のなんたるかもわからずに義務教育を終えていくところを想像するとかなり寒くありませんか。
はなひめが小三から小四にかけて、バレーボールの試合当番でつきそったりすることがあったのですが、あるときに小六の女の子たち4~5人がいっしょに宿題の計算ドリルを解いていることがありました。お互いに教えあってどんどん解いていたのですが、あるところで詰まって、誰もわからなかったので手近にいた大人(私)に聞いてきました。
問題は、「200人の60%は何人か」というもので、自信なさげなメモ書きで120という数字があり、200×60= と書きかけてぐちゃっと消してあり、200÷60= と書きかけてぐちゃっとまた消してあります。どうも、日常的な感覚からいって100人の60%は60人だと思うし、その倍だから120人だろうと。でも、どうやって120になるかわからない。かけても割ってもうまくいかないよ??
「これの答えは何ですか」と聞かれたので私は、「この答えで合っているよ。60をかけるのはいいんだけど、60倍じゃなくてパーセントだから100で割らないとね」と言ったのですが、その子は「あ、120でいいんだ。終わった!!(^-^) ありがとーございます」といって式は書かずにすぐしまってしまいました。
これは非常に印象的な出来事でした。ひとつは、会話などからいって十分、普通以上の知的能力を持っていると思われる子たちが数人集まっていて、誰も「%」の扱いを理解していなかったこと。これは卒業間近の出来事ですから、わからないまま小学校卒業になりますね。
それと、この子たち…少なくとも、質問をした子については、薄ぼんやりと答えを推測していたことからして、日常的な感覚としては60%がどのくらいを指すのかわかっているということです。それなのに、それについて学校で習ったときにそれが式と結びついていない。
こういう子のかなりの部分が、三年たってまた似たような状況のまま中学校を卒業していくことになるわけですね。
中学受験塾に通ったとしたら、さすがにいくら算数苦手な子でも、このへんクリアして中学生になりますからね…
受験をするにせよしないにせよ、「放置」のままにするのはやめようと思ったのでした。またろうは、まさか%がわからなかったりはしなかったですけど、それは算数・数学が得意だからであって、社会のほうは「バカ地図(*)」状態で義務教育終了しましたから。
苦手でも、興味関心なくても、最低限ってことがあると思うんです。「%」もそのうちのひとつ、かなり大きなひとつだと思うんですよね。っつか、そんなにわかりにくいのかな??
(*)…「またろう、鳥取と島根はどっちがどっち??」と聞いてみると「えーと、鳥取が、北!?」という大ボケをかましたエピソード。(→またろうの「バカ日本地図」)
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