アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

愛あるベートーベン

2013年12月16日 | ピアノ
何かピアノを弾く会があるとき、私が曲を選ぼうとすると、真っ先に思い浮かべるのがショパン、それからラベル、ラフマニノフ、プロコフィエフ、グラナドス、ファリャ、グリーグ、シベリウス、吉松隆、大辻ゴン…まで検討して、いっそすごく飛んでバッハ。あるいは思い切ってモーツァルト。

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ときて、ともかくベートーベンには滅多にたどり着かない。というくらい馴染みの薄いベートーベンです。

けれども、昨日は、オール・ベートーベンのコンサートに行ってきました。なにしろ、ヨーコ先生の初CD記念だからね!! 行かなきゃ!!(^-^)

ヨーコ先生は、とにかくベートーベンを愛しているそうで、なにしろ初CDがベートーベンの三大ピアノソナタという真っ向ぶりだからハンパないです。

プログラムは、その中から二曲、「月光」「熱情」が入っていました。

私がいくらベートーベンと縁薄く過ごしてきたからって、「月光」「熱情」を聞いた回数は相当あるはずです。聞いていて、くまなく、次に何が来るのかわかるくらいには聞いてます。

でも、昨日、生でじっくり聴いたソナタはすごく新鮮でした。一音一音、フレーズのひとつひとつ、すごく説得力があって、これはなんというか…「愛」と「情熱」ですね。ヨーコ先生の。

休憩をはさむと、迫力と緊張に包まれていた空気が一変してやわらかくなって、今度は歌曲です。「ゲーテによる3つの歌」というのは、私は聞いたことなかったのですが、とてもよかったです。第二外国語でやったドイツ語はほとんど「ひとことも」記憶にないのが残念ですが、親切に対訳がついていたので見ていると、ゲーテさん、いい仕事してます。

特に1つ目の、「物哀しさの幸福(Wonne der Wehmut)」という詩、破局はしたけど、涙は乾かないで! 愛は永遠なんだから!! ということで、相当怖いです。「乾かないで(Trocknet nicht)」の否定部分(nicht)がメロディーに乗ってぐさっと胸にささります。これはベートーベンのお仕事ですね。

次の「優しき愛(君を愛す)」というのは、ものすごく懐かしい歌でした。私の母がやっていたピアノ発表会で、母はもちろんピアノしか教えませんが、声楽に進んだ生徒が歌っていたことがあって、その中にあった曲だと思います。そのとき聞いた歌詞は日本語で、昨日歌われていたのはドイツ語ですが、日本語の歌詞が一部分自然に頭の中を流れていて、われながら驚きました。

そして最後はクロイツェル・ソナタ。隣にいたきーちゃんさんは、これが憧れ曲だとのことでバイオリンをガン見しています。私はむしろピアノに釘付けで、ほんとにこれはピアノもバイオリンもかっこいい曲です。アンサンブルもばっちりでした。

そしてアンコールは「エリーゼのために」。やられた!! という感じです。私は子どものとき、エリーゼを発表会で弾いてピアノをやめたのでした。人前でベートーベン弾いたことありましたね!! でもこういうエリーゼじゃなくて、平板で退屈な「エリーゼのために」だったんですけど。

このシンプルでかわいらしい曲にもこれだけの幅があり、楽しみがあるんです。

音階や和音を「ばりばり」弾けないからってベートーベンをよけて通ってたのってもったいないかもしれません。丸ごとベートーベンのコンサートでも、まったく飽きないどころか、ずっとハートわしづかみでした。ひょっとして、私もベートーベン好き!? ヨーコ先生の愛が伝染った!?

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コメント (2)
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