アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

リケジョの居場所

2014年12月08日 | 大学生活
高校生の女の子が主人公の、「うさぎパン」という小説を読んだ。

主人公は、入学すぐの自己紹介でうっかり(?)「好きなもの」を「パン」と答えてしまい、ビミョーな雰囲気が流れかけたところ、「はい! 僕もパンが好きでーす」と握手を求めてくる男子がいて、みんなもどっと笑った。

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それから、放課後にはその男の子と連れ立ってどこかのパン屋に行ってパンを買い、近くの公園とかでそれを食べながら話をする(パン批評など)という同好会のようなつきあいが始まるんだけど、そんな「別に彼氏とかじゃない」ところがかなり続いて、あれこれあったあとに、「つきあおう」っていうポジションに、改めて、なる。

青春小説だから、もちろん主人公の成長を描いているわけで、その部分はありふれているかもしれないのだが、この小説の大きな特徴となっているのが、「パン」「うさぎの縫いぐるみ」「うさぎパン」というキーアイテムがふわふわ、あたたかい系であることと共に、

ちょっとクールで味わい深いリケジョ、リケダンの話が重要なラインとして出てくるところ。

主人公の女の子が、親にもいえない打ちあけ話ができる相手として、家庭教師の大学院生が出てくるんだけど、この人が、物理の博士論文を作成中という、ガチのリケジョ。その彼氏は、同じ研究室で、若くして准教授になったちょっとシブいリケダン。

物理で博士課程まで行こうってんだから、元々が相当変わり者であることは間違いないが(本人がどう思っているかはともかく)、大学に入ったときは戸惑ったらしい。高校までは女子校だったのが、一挙に男子校みたいな状況(50人中、女子2人)になったので、友達を作るとこれがほぼ自動的に男子ということになってしまう。

最初はちやほやされていたけれど、だんだん「女の子扱いされなくなった」という(それでも彼氏はできたわけだが)。

理系向きかどうか、というのは当然のことながら、数学なり物理なりに向いた「脳みその形」をしているかどうかという話であるはずだけれども、実際の居心地でいうと、「男の中に、女がひとり(または少数)」という事態で安住できるかというところがひとつのポイントになったりする。

この小説の中では、この家庭教師、その彼氏、それから「うさぎパン」のあとについているスピンアウト短編に出てくる研究室の人々など、リケジョ・リケダンの生態が非常にリアルに描かれているのだけれど、ぐぐってみたところ、この著者は京都大学経済学部の出身らしい。絶対モデルとかいると思うんだけどなー

理系の男女関係のキモは、男だから女だからつきあう、ということでなく、まず友達(とりわけ、同好の士)から始まる、というところだと思うんです。そういう意味では、この主人公もけっこう「理系向き」な気もする。いや別にそういう趣旨の小説じゃないんだろうけど。

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コメント (6)
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