「100%ガールズ 3rd season」(吉野万理子)読了しました。
←お嬢様のいないお嬢様校とか
これは、フェリスみたいな(著者はフェリス出身なので)私立女子中高一貫校の学園生活を描いた小説です。一作目から順に中一、中二ときて、3rd seasonでは中三。
(→以前、1st seasonについて書いた記事)
フェリスは文化祭しか行ったことないけど、昔の女子学院になんとなく似ていると感じました。さばさばしてて「人は人、自分は自分」がはっきりしてて、常に率直に自分を表現したり、やりたいことに打ち込んでいていい空間。あ、勉強のことはあんまり関心なくてまぁほどほどというところも(笑)
一作目からわかっていたことなんですが、主人公は宝塚をめざしている子で、宝塚ってのは中学卒業する年から高校卒業した年まで四回受験できるとか。主人公の母親は熱心に娘の宝塚行きを応援してるので、当然初年度から受けることを想定してて、つまりは中高一貫校に前半三年だけ行くってこと(受かればですが)。
それってちょっと考えにくいですが…現実世界でどうだということではなく、こういう設定の小説で主人公が中学済んだら宝塚に行きますってね?? それはありえないでしょう。
だから3rd seasonでは何か起こって予定が変わるだろうってのはまぁ、小説として予定調和ではあったんですが、その展開がほんとうに説得力あって、そう!! そうなんだよ!! と膝を叩く思いでした。いい学校だよ(たぶん)!! フェリス!!
何がいいたいかというと、私が過ごした昔の女子学院、ものすごく快適でみんな好き勝手なことに打ち込んで楽しく騒いで、とてもいい学校だったけれど、あえて欠点をいうならば「閉じている」ということです。コミュニケーションは円滑に行われているけれどそれは身の周りのみ(たとえば学年)ということであって、学外の人とのつながり、さらには社会の中の自分ということにはあまり意識しないまま過ごせてしまう。
私が特別、極端にそうだったということはありますが…
娘がフェリスに通ってる友人から、そこでは高校二年三年あたりになるころまでに、それぞれが、社会に対してどうコミットするか、貢献していくかということを考えるようになるみたい、と聞いていたのですが具体的にはあんまりイメージできないでいました。
中一のときは自分のことだけ(あと、ほんの周囲の人とのつながり)でせいいっぱいというのは当たり前なんだけど、中二になると後輩もできて、先輩という立場での難しさもわかってくる。そして今回作では中三になって、いよいよ学内での責任あるポジションが身近なものになってくるわけです。
部活での問題解決をするときの先輩後輩との関係、あるいは先輩から学ぶこと、学内行事の苦労と楽しみと達成感。あるいはボランティアを通して学外に出向くこと…
「身の周り」から出発してそれがどんどん広がってくる中で、この発展途上の「仕事(中高一貫学園生活)」を中途のままにして宝塚には行けないってことに気づくことになります。
その筋書きは予想通りだったけれど、その成り行きをたどるだけで、卒業時には「社会への貢献」を考えられる人になっているという成長のあり方を納得させられるというのは…気持ちよく「ヤラレタ」感満載です。
そう思ってみると、はなひめの通っている学校も、それからおそらくは今の女子学院も、昔の女子学院に比べるとかなり意識的に「外へ向かう視点」の仕掛けを作っていることがわかります。居心地よすぎる六年間が、ちゃんと未来へつながっていくように。
これから、さらに楽しみだなぁ…
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社
←またろうがイラストを描いた本(^^)

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)

これは、フェリスみたいな(著者はフェリス出身なので)私立女子中高一貫校の学園生活を描いた小説です。一作目から順に中一、中二ときて、3rd seasonでは中三。
(→以前、1st seasonについて書いた記事)
フェリスは文化祭しか行ったことないけど、昔の女子学院になんとなく似ていると感じました。さばさばしてて「人は人、自分は自分」がはっきりしてて、常に率直に自分を表現したり、やりたいことに打ち込んでいていい空間。あ、勉強のことはあんまり関心なくてまぁほどほどというところも(笑)
一作目からわかっていたことなんですが、主人公は宝塚をめざしている子で、宝塚ってのは中学卒業する年から高校卒業した年まで四回受験できるとか。主人公の母親は熱心に娘の宝塚行きを応援してるので、当然初年度から受けることを想定してて、つまりは中高一貫校に前半三年だけ行くってこと(受かればですが)。
それってちょっと考えにくいですが…現実世界でどうだということではなく、こういう設定の小説で主人公が中学済んだら宝塚に行きますってね?? それはありえないでしょう。
だから3rd seasonでは何か起こって予定が変わるだろうってのはまぁ、小説として予定調和ではあったんですが、その展開がほんとうに説得力あって、そう!! そうなんだよ!! と膝を叩く思いでした。いい学校だよ(たぶん)!! フェリス!!
何がいいたいかというと、私が過ごした昔の女子学院、ものすごく快適でみんな好き勝手なことに打ち込んで楽しく騒いで、とてもいい学校だったけれど、あえて欠点をいうならば「閉じている」ということです。コミュニケーションは円滑に行われているけれどそれは身の周りのみ(たとえば学年)ということであって、学外の人とのつながり、さらには社会の中の自分ということにはあまり意識しないまま過ごせてしまう。
私が特別、極端にそうだったということはありますが…
娘がフェリスに通ってる友人から、そこでは高校二年三年あたりになるころまでに、それぞれが、社会に対してどうコミットするか、貢献していくかということを考えるようになるみたい、と聞いていたのですが具体的にはあんまりイメージできないでいました。
中一のときは自分のことだけ(あと、ほんの周囲の人とのつながり)でせいいっぱいというのは当たり前なんだけど、中二になると後輩もできて、先輩という立場での難しさもわかってくる。そして今回作では中三になって、いよいよ学内での責任あるポジションが身近なものになってくるわけです。
部活での問題解決をするときの先輩後輩との関係、あるいは先輩から学ぶこと、学内行事の苦労と楽しみと達成感。あるいはボランティアを通して学外に出向くこと…
「身の周り」から出発してそれがどんどん広がってくる中で、この発展途上の「仕事(中高一貫学園生活)」を中途のままにして宝塚には行けないってことに気づくことになります。
その筋書きは予想通りだったけれど、その成り行きをたどるだけで、卒業時には「社会への貢献」を考えられる人になっているという成長のあり方を納得させられるというのは…気持ちよく「ヤラレタ」感満載です。
そう思ってみると、はなひめの通っている学校も、それからおそらくは今の女子学院も、昔の女子学院に比べるとかなり意識的に「外へ向かう視点」の仕掛けを作っていることがわかります。居心地よすぎる六年間が、ちゃんと未来へつながっていくように。
これから、さらに楽しみだなぁ…
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)