本屋さんで「シャンドールピアノ教本 身体・音・表現」というのが平積みになっているのを見かけて…
←電車で寝落ちしてると読書が進まない。
「シャンドール? どこかで聞いたことあるな…」
どこで聞いたのかっていったら、まぁたぶんshigさんだよな(←と思っておけばあらかた合ってる)
中をぱらぱらとめくってみたら、わりとおもしろそうだったので買ってしまった。分厚いぞ。読むんか?
なんの話のときだったかというのは、ブログ内検索をするとわかる(便利)
過去記事: タテヨコを分けて考える(デジピでの練習)
シャンドール先生の本、頭から順繰りに読むには長すぎるので(おい)とりあえず最後らへんから読んでみたが、その中にライブ演奏と録音では演奏における優先順位が異なる、ということが書かれていた。
ライブ
(1) 可能な限り自発的で創造的な、個性的で説得力ある解釈。
(2) 限りなく色彩の幅の広い繊細なタッチ。
(3) 限りなく幅広いデュナーミク。
(4) ホールの音響効果に応じた間の取り方…短いより長いほうがいい。
(5) 重要性に応じて音を強調すること。伴奏パッセージや埋め草的な音は控えめに弾く。装飾音や派生的な音も同様である。
(6) 音を間違ってはいけないが、すべての音を「ミスタッチはしていません」とばかり、ことさらはっきり弾くことは避けるように。
録音
(1) ミスタッチをしない。
(2) 極端に小さく、あるいは極端に大きく弾かない。
(3) 行き過ぎたルバートをしてはいけない。
(4) ライブ演奏に比べて、間はすべて短くする。とりわけセクションのあいだの間は短くしたほうがよい。
(5) 伴奏パッセージや充填音も、すべてはっきり鳴らす。
(6) 音の立ち上がりは明確に。
(7) ほとんどの部分において陰影は音量によって作られる。どれほど個性的なタッチも電気装置によって均質化されてしまうが故に、ほとんど無意味である。
たとえば、録音ではミスタッチをしないことが特に重要、ライブはそうでもない、というのはだいたい合意されることではないだろうか。別にミスタッチの有無をチェックするように聞いてるわけじゃないのでライブならわりとどうでもいいんだけど、録音だと繰り返し聞けてしまうので、いつも同じところで同じ音に間違えられるというのもそれはツライものがある。
一方で「どれほど個性的なタッチも電気装置によって均質化されてしまう」というのはいやそこまでのことはないのでは…多少わかりにくくなるかもしれないけど…もしかしてかなりクォリティの低い録音を想定してませんか?? シャンドールさんは1950年代・1960年代に主に録音の活動をしてたみたいなので、そのときのイメージでいってるかもしれません。
いずれにせよ、何か突拍子もないことや極端なことがあると、それがゆらぎもせず寸分たがわず繰り返されるとなれば苦痛なわけで、録音のときには創造性であれ個性であれ、間の取り方であれ「ほどほど」にしたほうがよい。そして発音はクリアに。
こう並べてみると、ライブと録音とずいぶんな食い違いがあるというふうにも見える。そうすると、その二つを合わせた「ライブ録音」というのが非常に難しいものであることがわかる。シャンドールさん曰く、
「このようにライヴ演奏と録音では優先順位が異なり、我々はそれを遵守しなければならない。残念ながら今日ライヴ録音がどんどん広まっているが、わずかな例外を除いて、その結果は演奏者にとっても聴き手にとっても満足のいくものではない。」
このように方向性が違うものを、しかしいくらシャンドールさんが気に入らなくてもライブ録音というものも増え、そして録音そのものの重要性が増えてくると何が起こったかというと、
ライブ演奏も録音の都合に影響されてくること
なのではないだろうか。上の優先順位をよく見比べてほしいのだけど、ライブ演奏っぽいライブ演奏を録音して聞く場合の不都合と、録音っぽい演奏をライブ演奏として聞く側の不都合はどちらが大きいか?
と思えば、それは録音っぽい演奏をライブでも録音でも通すのがマシだろうってことになりそうなので。
ところで、ここまで書いてきてふと気づいたんだけど、コンクールって、基本的にはライブのものだけど優先順位はわりと「録音」系!?
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←またろうがイラストを描いた本(^^)
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「シャンドール? どこかで聞いたことあるな…」
どこで聞いたのかっていったら、まぁたぶんshigさんだよな(←と思っておけばあらかた合ってる)
中をぱらぱらとめくってみたら、わりとおもしろそうだったので買ってしまった。分厚いぞ。読むんか?
なんの話のときだったかというのは、ブログ内検索をするとわかる(便利)
過去記事: タテヨコを分けて考える(デジピでの練習)
シャンドール先生の本、頭から順繰りに読むには長すぎるので(おい)とりあえず最後らへんから読んでみたが、その中にライブ演奏と録音では演奏における優先順位が異なる、ということが書かれていた。
ライブ
(1) 可能な限り自発的で創造的な、個性的で説得力ある解釈。
(2) 限りなく色彩の幅の広い繊細なタッチ。
(3) 限りなく幅広いデュナーミク。
(4) ホールの音響効果に応じた間の取り方…短いより長いほうがいい。
(5) 重要性に応じて音を強調すること。伴奏パッセージや埋め草的な音は控えめに弾く。装飾音や派生的な音も同様である。
(6) 音を間違ってはいけないが、すべての音を「ミスタッチはしていません」とばかり、ことさらはっきり弾くことは避けるように。
録音
(1) ミスタッチをしない。
(2) 極端に小さく、あるいは極端に大きく弾かない。
(3) 行き過ぎたルバートをしてはいけない。
(4) ライブ演奏に比べて、間はすべて短くする。とりわけセクションのあいだの間は短くしたほうがよい。
(5) 伴奏パッセージや充填音も、すべてはっきり鳴らす。
(6) 音の立ち上がりは明確に。
(7) ほとんどの部分において陰影は音量によって作られる。どれほど個性的なタッチも電気装置によって均質化されてしまうが故に、ほとんど無意味である。
たとえば、録音ではミスタッチをしないことが特に重要、ライブはそうでもない、というのはだいたい合意されることではないだろうか。別にミスタッチの有無をチェックするように聞いてるわけじゃないのでライブならわりとどうでもいいんだけど、録音だと繰り返し聞けてしまうので、いつも同じところで同じ音に間違えられるというのもそれはツライものがある。
一方で「どれほど個性的なタッチも電気装置によって均質化されてしまう」というのはいやそこまでのことはないのでは…多少わかりにくくなるかもしれないけど…もしかしてかなりクォリティの低い録音を想定してませんか?? シャンドールさんは1950年代・1960年代に主に録音の活動をしてたみたいなので、そのときのイメージでいってるかもしれません。
いずれにせよ、何か突拍子もないことや極端なことがあると、それがゆらぎもせず寸分たがわず繰り返されるとなれば苦痛なわけで、録音のときには創造性であれ個性であれ、間の取り方であれ「ほどほど」にしたほうがよい。そして発音はクリアに。
こう並べてみると、ライブと録音とずいぶんな食い違いがあるというふうにも見える。そうすると、その二つを合わせた「ライブ録音」というのが非常に難しいものであることがわかる。シャンドールさん曰く、
「このようにライヴ演奏と録音では優先順位が異なり、我々はそれを遵守しなければならない。残念ながら今日ライヴ録音がどんどん広まっているが、わずかな例外を除いて、その結果は演奏者にとっても聴き手にとっても満足のいくものではない。」
このように方向性が違うものを、しかしいくらシャンドールさんが気に入らなくてもライブ録音というものも増え、そして録音そのものの重要性が増えてくると何が起こったかというと、
ライブ演奏も録音の都合に影響されてくること
なのではないだろうか。上の優先順位をよく見比べてほしいのだけど、ライブ演奏っぽいライブ演奏を録音して聞く場合の不都合と、録音っぽい演奏をライブ演奏として聞く側の不都合はどちらが大きいか?
と思えば、それは録音っぽい演奏をライブでも録音でも通すのがマシだろうってことになりそうなので。
ところで、ここまで書いてきてふと気づいたんだけど、コンクールって、基本的にはライブのものだけど優先順位はわりと「録音」系!?
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