カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

「あたたかさ」より・撥ねる金魚の暖かさ

2015-11-04 20:53:13 | 突発お題
 昔、学習机の隣の棚に置いてあった金魚が不意に水の中で撥ねる音を聞くだけで、自分は一人だけで此処に居る訳では無いと思うことが出来たから、側に誰かが居て、更に自分が掛けた言葉を返してくれるなら、そりゃ暖かいに違いないと思う。
 あれはきっと、自分以外の命の息吹を感じた時の暖かさなのだ。
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『泣き虫』と【嬉しい】より・泣かない彼女の笑顔

2015-11-04 20:29:31 | 物書きさん、お題です
 彼女は泣き虫だったが大半の人間はそれを知らなかった。何故なら彼女は決して他人の前で泣かなかったからだ。
 ある日、偶然彼女の泣くところを見てしまって以来、彼女は僕の前だけでは泣くようになった。

 やがて僕と彼女の娘は笑顔の可愛い子に育ったが、やっぱり誰も知らない場所でだけ泣いているようだ。
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