第二夜・ある恋の終わり

たかあきで『わびぬれば』と『猩々緋』を使って創作してください。

　想いを弄ばれ続けるのに耐え兼ねて、私は彼女を引き裂いた。すると私を魅了し続けた筈の薔薇色の頬も赤い唇も、引き裂かれた傷口から流れ出した鮮やかな緋色が冷えて黒く固まる頃にはすっかりその魅力を失っていて、何故に自分がこのようなモノに深く懸想していたのだろうと何度も己に問い掛けるのだが、どうしても答えは出ない。

店の名は琥珀亭・天使と奇跡を求める骸

たかあきで【転がる蝉の死骸】というテーマで創作してください。

　そんなある日、店長は崖から落ちた子供を助けた。正確には助け損ねて結構な高さを一緒に崖下まで落ちたのだが、何故か二人とも全くの無傷で、子供は店長が琥珀色の羽根を出して飛んだと強く言い張ったが、馬鹿な話だと大概の人間は信じなかった。ただ、創設当時から天使の降臨を待ち望む国教教会の一部過激派はそれを信じ、彼らは教会に強制連行した店長の前で家族を一人一人順番に殺していき、最後に五つになったばかりだった末息子を手にかけてから蘇りの奇跡を求めた。