カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第六夜・闇に鳴く黒猫

2017-06-12 19:08:50 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『知るも知らぬも』と『煉瓦色』を使って創作してください。

 思うに大概の人間は、心の内で怒りに任せて叩き殺した相手の骸を幾つも地下室の煉瓦壁に塗り込めているものだが、己が手をかけた骸について忘レそうになる度、その死因に謎ばかりを残して死んでいった怪奇作家の作品のように、いつの間にやら何処からか現れた黒猫が壁の内部に滑り込んで骸の頭上で鳴くのだ。お前の罪は此処だ、お前の罪は此処にあると。
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店の名は琥珀亭・幻獣王の伝説

2017-06-12 18:55:06 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【午前零時に浪漫を語る】というテーマで創作してください。

 それじゃ、ひょっとして店長は本物の幻獣王を見たこと有るのかと楽師に問われ、何度も見たぞとあっさり答える店長。
 最初は王都を一瞬で瓦礫に変えた力の正体を見定めて貰う為に、やがて幾つかの事件を解決する助力として。

「まあ、恐らく一番の事件は拗れた王位継承問題の末に殺されそうになった少年を、幻獣王が養い子としたことだろうな」
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