カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第四夜・共白髪

2017-06-08 20:25:35 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『ふけにける』と『鈍色』を使って創作してください。

 お爺ちゃんの後ろには十年ほど前に亡くなったお婆ちゃんがずっと立っている。
 大概はお爺ちゃんの一挙一動を眺めつつ笑顔で声をかけているのだが、お爺ちゃんは全く気付いていない。

 だからお婆ちゃんがお爺ちゃんに向かって「まだですか、まだ死なないのですか?」と囁き続けているのは僕だけの秘密だ。
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店の名は琥珀亭・現実のお伽話

2017-06-08 20:09:04 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【想いは飽和せず】というテーマで創作してください。

 結局、店長は国境警備隊長に誘われるまま隣国で暮らすことになった。偶然にも若い頃の隊長が店長の父親を知っていたという理由もあるが、現実的に考えてその時店長が生きていくには他に方法がなかった。その国には他国で失われた『世界を造り上げた力』が至る所に残っていて、それ故それから店長はお伽話のような十数年を生きることになった。
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