カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第九十一夜・降り続く花吹雪

2017-10-09 17:57:16 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『風のかけたる』と『桜色』を使って創作してください。

 たまに、漫画やドラマで吹雪のように渦巻く桜の花片を見ることがある。
 春の薄い色彩をした青空や星の見えない闇夜に散り急ぐ大量の花吹雪は、概ねは華やかでありながら同時にひどく物哀しい演出となるが、実は強い風に煽られて飛び回る桜の花弁は凶器同様で、頬に当たると結構本気で痛く、以降は花吹雪に対して抱いていた儚げなイメージが変質せざるを得ない。
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