カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第九十七夜・台風一過

2017-10-17 22:35:53 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『乱れ染めにし』と『瑠璃色』を使って創作してください。

 凄まじい暴風を伴った豪雨が過ぎ去った後の空は、様々な形をした雲の残骸が取り残されたように黄昏に染まり、まるで頭のいかれた前衛芸術家が思うさまに画材をぶちまけたような惨状を呈していた。
 そんな中にウチで飼っていたミイによく似た姿を見付けて、私はただ涙を流す。あの日、癇癪持ちの父が振るったゴルフクラブは家の中を今の空と同じ光景に替え、ミイを奪ったのだ。
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