カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

六冊目・『清き親子のセレナード』

2018-03-19 20:22:31 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『清き親子のセレナード』事件を解説してください。

 昔から母は弟ばかりを溺愛して私を顧みることが無かった。今考えると母と私は全てが嫌になるほど似ていて、母は私を通じて己の惨めな姿を見せ付けられるのが辛かったのかも知れない。ただ、やがて母を侮るようになった弟は、母に対して暴言を吐くだけではなく暴力も振るうようになった。それでも母は健気に耐え続け、ますます弟を溺愛した。

 だからあの日、母が酒に酔って寝ていた弟を動かなくなるまで滅多差しにしてから家に火を付けたのも、きっと弟の為だったのだろう。
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