カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

九冊目・『凍えし密室の子守歌』

2018-03-22 20:50:59 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『凍えし密室の子守歌』事件を解説してください。

 ガスも電気も、水道すら止まってしまった公団住宅の一室で、二人の姉妹は抱き合ったまま餓死していた。家族の病気、父の残した莫大な借金、母の死、打ち切られた社会的保護、若い娘が背負えるはずもない重荷は、彼女に縋って生きるしかなかった家族もろとも容赦なく彼女の心身を押し潰したのだ。
 ゴミで埋まった部屋には「死んでやる」とだけ、書き残されていた。
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