アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

星降る川から(気まぐれダイアリー)1月28日

2025-01-28 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

  おはようございます。

四万十は晴れてますが、氷雨ぱらつき凍風吹く川のうえはとても寒く、

岸辺のスイセンの花も小さくふるえています。プルプル。

空と川を見ながら一杯の熱いコーヒーを飲む。それは、ささやかで贅沢なヒトトキです。

 

都会のような便利さはない、過疎の川のほとりの暮らし。

でも、真冬の四万十川流域では、自然が奏でる音や生き物の声、

澄んだ空と川、美しい星空、月空、スローにながれる川と時間、そして、静けさを味わえます。

(物理的に)人と人との距離がとおいのも、またよろし、です。

今日の最低気温は、1、7度。

 

  最高気温5、6度。午後の空も不安定。晴れた空から雨がパラパラ。

♪I wanna know Have you ever seen the rain? Comin' down on a sunny day♪

晴れたときを見計らって、散歩にでようとシューズをはけば、

サァーっと頭上にながれこんできた黒い雲が、パラパラと氷雨をまきちらしていきます。

その繰りかえし、うーむ、外にでれませんのだ。

(昨日と今日の雨は)カラカラに乾いた山、川、生き物たちには、恵みの雨ですが。

 

冷蔵庫のなかのように冷えた部屋で(南国の古い家は、スキマ風だらけ。おまけに微妙に傾いている)、

暇ぐらしガイドは、山用のダウンジャケットを着て、コタツ虫・アウトドアズマン、と化して読書です。

 

「江川崎を過ぎると、四万十川はおだやかになり、大河の風貌を帯びる。

しかし、流れは早く、深い流れにのって滑るように下っていくのは気持良かった。

山また山が折り重なり、そのすそを縫って川は流れた。人間の音が全くない。耳に入るのは山の音だけである。

今日は一日、漕がず、フネの中であぐらをかいて流されるままに下った。

黒尊川の流れこみで上陸。早々にテントを張る」

 

『川にかかった橋を渡って対岸の部落の小さな食堂に入った。

「アイスクリン50円」と張紙のある戸を開けて入ると、一人の酔漢が抱きついて来た。

良く来た、と僕の手をしっかり握る。酔っぱらうとやたらと人恋しくなる人らしい。

いっかな手を離さないので、片手でウドンを食っていると、奥さんが迎えに来た。

酒が入るととても楽しくなる人で、それはいいのだが、この間は部落の葬式で失敗した。

初めはシンミリ飲んでいたのだが、酒が回るにつれて幸福になり、つい酔った時の口癖がでた。

彼はいったのである。「今日は実にユカイである。こんなに楽しいことはない」

おまけに「ヨサコイ、ヨサコイ」と踊ってしまった。「ヨサコイ」とは今夜飲みに来い、という意味だ』。

 

『四万十川の美しさは日本随一であろう。

水質、魚の多さ、川をとりまく自然、川から見た眺めの美しさ、いずれも日本の川では最高だ。

日本人が汚し始める前の自然が、川がどんなものであったか知りたければ、四万十川を見に来るといい。

部落の人はいう。「山や川が好きな人にゃここは天国じゃ」

しかし、天国には若者は住めないのだろう。

彼等をより強く惹きつけるのは美しい自然より、ゴミゴミした都会の汚濁の巷だ』

「日本の川を旅する」四万十川編より 野田知佑著 1985年発行 

落ちかなかった午後の空も、夕方になるとバッチリと晴れてきました。

今夜は、空高く吹きぬける北風が、冬の星たちをあざやかにゆらすコトでしょう(明日は、新月)。



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