アルコール依存症をのり越えた戦場カメラマン
鴨志田穣と別れた妻・漫画家の西原理恵子。
家族の絆がつむぎだす<大きな愛の物語>
「テアトル新宿」に向かったのは、これで2度目、
「誰も知らない」を観た時から6年ぶりです。
どちらも実話をもとに映画化されたものですが、
「誰も知らない」は、重すぎて肩に
石を乗せた感じで帰宅しました。
今回は鼻をすすりながら映画館を出ましたが、
気持ちは明るいものでした。
主人公に浅野忠信、その元妻に永作博美。
期待以上の演技、脚本も良いので、
重いテーマを扱っているのに、
温かい気持ちになります。
エンディングの忌野清志郎が唄う
「誇り高く生きよう」が心に沁みます。
「あの子は人前では絶対に涙を見せない子だから」と、元妻。
就学前の幼子が涙を見せないないなんて痛々しいことで、
どれだけ離婚前の家庭が悲惨なものかが伺えます。
元妻は、玉ねぎを刻みながら号泣。
そうでもしなければ、泣けないのでしょう。
子どもたちが、心配して見ているから…。
主人公は、アルコール病棟に入院し、
アルコール依存症を克服。
ここでの生活ぶりは、コミカルに描かれています。
皆の食事がカレーなのに、
内臓に問題があるので彼には出ません。
非常に悔しがり、医師やスタッフに抗議します。
私も経験があるので、気持ちがよ~くわかります。
病院食は、それぞれの患者毎に
メニューが違っていたりします。
自分の好物なのに自分にはないけれど、
他の人は食べているということもあります。
食べたい、食べたいって
そればかり考えてしまうのです。
主人公は、自分の弱さと向き合い、
どん底で希望を見つけます。
家族のもとに、<心の居場所>で
あるうちに帰ることに。
家族が一緒にいる意味を
教えてくれる映画です。
テアトル新宿
2010.12.12