賓客をもてなす国宝建築を一般に公開している迎賓館。
国賓の宿泊や会談、晩餐会などに使用されています。
和風別館の参観は事前予約が必要ですが、
本館の館内・主庭は当日でも可能です。
1964年の東京オリンピック組織委員会が設置された迎賓館。
この特別展を見ておきたいと思っていたのです。
本館の館内・主庭の見学料は2000円、
イヤホンガイドは200円でした。
1961年9月から1965年1月まで東京オリンピックのため、
大会組織委員会の事務局が設置されていました。
市川崑監督の記録映画『東京オリンピック』の制作部、
ピクトグラムや室内標識、表彰台に至るまで
様々なデザインを担当したデザイン室も開設され、
横尾忠則氏ら後に日本のデザイン界を牽引する才能が集結。
昨年の大河ドラマも見ていたので、
ここが特別な場所であったという実感が湧いてきます。
第二事務棟で1964年東京オリンピック映像も鑑賞できました。
約180種2万本の木が生育している迎賓館は、
かつては紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所。
1909年に皇太子の居所である
東宮御所として建設されました。
本館の入場口はこちら、手荷物検査もあります。
館内の写真撮影、飲食はできません。
トイレは入館前に済ませる必要もあります。
立派なガイドブックをいただきました。
日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋宮殿ですが、
本館の建物の東西と南側には松が植えられ、
日本的風格を印象付けるように意図されています。
建物は、地上二階、地下一階、幅125m、
奥行き89m、高さ23.2mと広大なものです。
明治時代の建築家片山東熊氏 の総指揮の下に、
当時の一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設。
深紅の絨毯が導く玄関ホール、晩餐会が催される花鳥の間、
10枚の大鏡が奥深い空間を演出する彩鸞の間、
2019年4月リニューアルした朝日の間、
演奏会が行われることもある羽衣の間などを見学します。
廊下のモザイクタイル、天井画、壁面のモチーフ、
敷物、小磯良平氏の絵画など見どころ満載です。
主庭西側には、迎賓館で最初の国賓の米フォード大統領、
旧ソ連ゴルバチョフ大統領、英エリザベス女王により、
それぞれ記念植樹としてハナミズキ、フユボタイジュ、
イングリッシュオークが植えられています。
本館の南側には主庭が広がり、中央には建設当初から
設けられている国宝の噴水があります。
噴水の先には100年前と変わらぬ風景が広がります。
彫刻の石組の上に青銅製の水盤を置いた構造の噴水、
中断の水盤の上にいるのはシャチ、噴水を取り囲む縁石に亀、
四方をギリシャ神話にも登場する伝説の「グリフォン」、
見事な彫刻が装飾されています。
東宮御所としてはあまり使用されるとはなく、
戦後、建物・敷地ともに国に移管され、
国立国会図書館、内閣法制局など国会や
行政の期間として使用されていました。
戦後十数年経ち、外国の賓客を国として
接遇するための施設の必要性が高まり、
5有余年の歳月と108億円の経費をかけて改修され、
2009年には明治以降の建造物として初めて国宝に指定。
正門も国宝に指定されています。
正門を含む正面外柵は、全長160m、
中央に正門と脇門が設けられています。
東京都港区元赤坂2-1-1
2020.2.22