‘07/03/05の朝刊記事から
中国国防費１８％増
１９年連続伸び率２けた 初の５兆円台に ０７年
【北京４日高山昌行】中国の２００７年の国防予算が、前年実績１７．８％増の３５０９億元（約５兆３３００億円）に上ることが４日、明らかになった。
１９年連続の２桁の伸び率で、国防費が５兆円を超えるのは初めて。
中国は１月に弾道ミサイルによる衛星破壊実験に踏み切るなど軍備強化を進めており、国際社会での「中国脅威論」がさらに高まるのは必至だ。
５日に開幕する中国の国会、第１０期全国人民代表大会（全人代）第５回会議の姜恩柱報道官が、４日の記者会見で明らかにした。
国防費は全人代に提出される０７年予算案に盛り込まれる。
国防費の割合は７．５％で、同報道官は「米国の２０．０％（２００５年）、フランスの１１．４％（同）などに比べ低い。
中国は他国と軍備競争を行う能力も意図もなく、いかなる国の脅威にもならない」と強調した。
しかし、英国の有力シンクタンク、国際戦略研究所は、０６年の中国の国防費を公表額の３倍以上の約１４兆７９００億円と推定している。
中国が、通常は国防費に含まれる研究開発費や海外からの武器調達費を除外していることなどが理由としており、軍事費の拡大とともに不透明さにも批判が強まっている。
