Kodak DC4800
‘07/07/28の朝刊記事から
北大教授ら 水の凍結防ぐ物質抽出
樹液から 臓器長期保存に期待
寒冷地に自生するカラマツやシラカバの樹液から、少量でも水の凍結温度を大きく下げる作用のある物質の抽出に、北大大学院農学研究院の藤川清三教授らのグループが成功した。
この物質をヒト移植臓器の保存液に加えると凍結温度を零下10度程度まで下げることが可能となるため「臓器摘出から移植までのタイムリミットが大幅に伸びることが期待される」(北大知的財産本部・小川晴也マネジャー)という。
藤川教授はこの結果を国際特許として申請したほか、29日からカナダで開かれる国際低温生物学会で発表する。
摘出から移植までの間、臓器は零下で保存した方が代謝を落とせるため長持ちする一方、保存液(培養液)が凍結すると臓器を傷つけてしまうため、現在は液温を4度前後に設定している。
藤川教授らは、寒冷地の樹木が零下40度でも細胞の液体状態を保てる仕組みに注目した。