’07/10/23の朝刊記事から
薬害肝炎 197人の実名を把握
製薬会社 本人に通知の意向
汚染された血液製剤ヒィブリノゲンの投与でC型肝炎を発症、感染した418人に、厚生労働省と製薬会社が事実を伝えていなかった問題で、製造元のミドリ十字を継承した田辺三菱製薬が、197人の実名と、170人のイニシャルか名前の一部を把握していることが22日、分かった。
舛添要一厚労相は、同社の葉山夏樹社長に本人に早期に告知するよう指示した。
葉山社長は「患者のプライバシーに配慮し、迅速に対応したい」と、医療機関などを通じて通知する意向を伝えた。
舛添厚労相が同日午後、葉山社長を厚労省に呼んだ席で同社長が報告した。
厚労省が同日午前、公表した資料は実名2人、イニシャル116人。
同省はこれまで、個人を特定できるデータは持っていないとしていた。
厚労省は同日、調査チームを立ち上げ、本人に伝える努力をしなかった経緯を検証、関係者の法的、道義的責任の有無を判断することになった。
これらの動きに対し、同日会見した薬害肝炎訴訟全国原告団の山口美智子代表は「最初は『資料がない』、つつかれたら少しずつ出てくる。薬害エイズと同じ構造だ。今もって厚労省は責任の重さを全く感じていない」と怒りをあらわにした。
発症者情報を把握しながら本人に通知しなかったことに関し、葉山社長は、患者のプライバシー保護を理由に、「患者と接している医療機関と患者の間の対応」の問題とし、落ち度はなかったと主張した。
これについて舛添厚労相も一定の理解を示した。