’08/02/17の朝刊記事から
コソボ、きょう独立宣言
【プリシュティナ(セルビア・コソボ自治州)16日共同】セルビア・コソボ自治州の地元各紙は16日、自治州議会が17日午後3時(日本時間同11時)から本会議を開き、セルビアからの一方的独立宣言を行う予定だと報じた。
自治政府のサチ首相は16日、一部記者団に対し「明日はコソボの意志を実現する日になるだろう」と述べた。
米国や欧州連合(EU)の大半はこの動きを支持しており、速やかに独立を承認する方針。アルバニア系住民とセルビアの民族紛争後、8年以上の国連暫定統治を経て、コソボは独立への本格的歩みを始める。
セルビア側は強く反発、武力行使は否定しているものの「外交、政治、経済上のあらゆる対抗措置」(イェレミッチ外相)を取ると明言。コソボ自治州の人口約5%に当たる約10万人に上るセルビア人の大半も独立を認めず、セルビア人地域で独自議会を設立する構え。宣言でコソボ情勢が緊迫するのは必至だ。
セルビアを支持するロシアは、国連など国際機関への加盟を認めないと表明。コソボにとっては、国際社会での国家承認獲得が課題となる。コソボの州都プリシュティナでは16日、祝賀ムードが高まっている。
コソボとセルビア
セルビアは人口約940万人、このうちコソボ自治州は約200万人。コソボではアルバニア系住民が9割以上で、セルビア人は約10万人にすぎない。言語・宗教はアルバニア系住民のアルバニア語、イスラム教に対し、セルビア人はセルビア語とセルビア正教。コソボは中世セルビア王国の中心地で、セルビア人にとり宗教的な聖地でもある。