’08/02/16の朝刊記事から
農水省 輸入小麦30%値上げ
4月から パンなど波及必至
農林水産省は15日、国が国内製粉会社に売り渡す輸入小麦価格(主要5銘柄加重平均)を4月から現行比30%値上げすると発表した。経済成長の続く中国などの食糧需要の増大や世界的なバイオ燃料需要などで、国際相場が昨年から急上昇しているため。小麦が主原料のパンや麺類、菓子類などの値上げに波及するのは必至だ。
政府の売り渡し価格は、昨年から直近8カ月の平均買い付け価格に諸経費などを上乗せして決める方式に変更した。昨年4月の1.3%、同10月の10%に続く措置で、1973年の35%に次ぐ大幅な値上げ。売り渡し価格は同10月の1トン当たり53,270円から69,120円となる。
本来の試算は38%の改定率だが、農水省は「国民生活への急激な影響を緩和したい」(食糧貿易課)と30%にとどめた。だが、国際相場の高騰が依然続いているため、売買に伴う逆ざや分は国の負担となる。今年10月の次期改訂時の値上げも確実な情勢だ。
背景には、米国でバイオ燃料となるトウモロコシへの転作が進み小麦の耕作面積が減少したほか、中国・インドで食糧需要が急増したことも影響している。
農水省によると、小麦価格の指標となる米シカゴ商品取引所の価格は、昨年5月頃まで1ブッシェル(約27キロ)当たり5ドル前後だったが、オーストラリアで2年続いた大干ばつの影響や降雨による欧州での品質低下などで価格が急騰。昨年暮れには10ドルを突破し、高値警戒感が全世界に広がっている。