Kodak DC4800
’08/05/09の朝刊記事から
聖火 チョモランマに登頂
威信かけ「民族融和」中国
【北京8日佐々木学】世界最高峰に聖火を掲げたのは、チベット民族の女性だった。
8日午前に成功した、北京五輪聖火のチョモランマ(英語名エベレスト、8,848メートル)登頂。
チベット騒乱鎮圧への反発から、世界各地で抗議行動に遭遇した中国政府が、「チベットの影」におびえながらも威信高揚と民族融和を演出した国家プロジェクトだった。
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混成隊員
新華社通信によると、アタック隊12人はチベット民族など高地に強い山岳少数民族と漢民族の混成チーム。
聖火は、山頂の手前30メートルで火種からトーチに点火され、隊員5人のリレーが行われた。
「第一走者」はチベット民族の女性ギギさん(39)。
漢民族とチベット民族が交互にトーチを持ち、最後にチベット民族の女性ズレンワンモさん(21)が緊張した面持ちで山頂に聖火を掲げた。
「タシデレ(チベット語で、おめでとう)」と叫ぶ仲間たち。
アタック隊長の、チベット民族男性ニマズレンさん(39)も、「チベット自治区の各民族284万人を代表して遂行した、光栄ある任務を誇りに思う」と語った。
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技術誇示
中国国内リレーと別ルートで行われた聖火の世界最高峰登頂は、中国政府が約2千万元(約3億円)をかけ、極寒と強風に耐えられる特殊なトーチや火種灯、引火装置の開発などを準備してきた。
「風速18メートル、氷点下26度、低い気圧と薄い酸素。厳しい環境下での聖火登頂は、五輪と科学技術が結合した成果だ」。
中国の万鋼・科学技術相は8日の記者会見で、中国の技術力に胸を張った。