'08/11/28の朝刊記事から
イラク空自 きょう撤収命令
政府は二十八日、イラク復興支援特別措置法に基づきイラクに派遣している航空自衛隊部隊に対して撤収命令を出す。
陸上自衛隊は二〇〇六年に撤収しており、〇三年のイラク戦争に端を発した約五年間にわたるイラクでの自衛隊活動が終了する。
米国などが「テロとの戦い」の比重をアフガニスタンに移す中、政府もインド洋での海上自衛隊の給油活動などで復興支援に力を注ぐ。
撤収命令は関係閣僚による安全保障会議を経て、浜田靖一防衛相が発令する。
防衛省は撤収支援の追加部隊を派遣し、十二月中旬から撤収を開始。
年明けに完了する見通しだ。
自衛隊のイラク派遣は〇四年に開始。
空自はクウェート拠点に、C130輸送機三機でイラクのバグダッド空港や北部のアルビルに、米軍など多国籍軍や国連の要員、物資の輸送を担った。
現地舞台は約二百人。
今月二十六日現在の輸送実績は八百十回、総量約六百七十トン。
空自隊員は延べ人数で約三千五百人、道内からは千歳基地などの約二百人が派遣された。
特措法の派遣期限は来年七月までだが、政府は多国籍軍のイラク駐留を定めた国連決議が十二月末で失効するほか、治安状況が改善傾向にあることから撤収を決めた。
増田好平防衛事務次官は二十七日の記者会見で「平和協力の観点で国際社会にしかるべき貢献ができた」と派遣の意義を強調した。