081106の朝刊記事から
米MD対抗 ミサイル配備
ロ大統領演説 任期延長も提案
【モスクワ5日加藤雅毅】ロシアのメドベージェフ大統領は5日、クレムリンで初の年次教書演説を行い、東欧での米ミサイル防衛(MD)計画に対抗し、ロシア西部の飛び地カリーニングラード州に最新ミサイルを配備する意向を表明した。
また、大統領任期を現在の4年から6年に延長することを提案した。
同州に配備するのは最新の移動式戦術ミサイル「イスカンデル」。
大統領は、米国のMD施設に向けて妨害電波を送る設備も設置する意向を表明、対抗姿勢を鮮明にした。
ただ、大量破壊兵器削減などでは米国と協力できると強調。
米国の次期政権については「ロシアと十分に価値のある関係を選ぶと期待している」と述べ、グルジア紛争をめぐって深刻化した対立の緩和に期待を示した。
一方、グルジア紛争や金融危機は米国一局支配が招いたものと指摘し、「多極世界が現実的だ」と述べた。
南オセチア自治州やアブハジア自治共和国の独立承認に対する欧米の批判について「カフカス地方に関する政策を見直すつもりはない」と述べ、譲歩する考えがないことを強調した。
大統領任期の延長は、大統領の権限強化を図る狙いで、プーチン前大統領(現首相)時代から取りざたされていた。
2012年までの自身の任期を延長するかどうかについては言及しなかった。
汚職対策では公務員の所得、資産を全面公開させる必要性を強調した。