'08/11/11の朝刊記事から
ロシア原潜事故 軍事ビジネスに痛手
印に646億円で貸与予定
【モスクワ10日加藤雅毅】ロシア太平洋艦隊の原子力潜水艦が8日、日本海での試験航行中の事故で多数の死傷者を出したことで、軍の掌握を狙ってメドベージェフ大統領が掲げた「軍の近代化」は、出はなをくじかれた格好だ。
完成間もない原潜の事故で、ロシアの軍事ビジネスへの影響も指摘されている。
事故を起こした原潜は定員73人。
そこに、軍人81人と造船技術者ら民間人127人の計208人が乗っていた。
10日のコメルサント紙は、艦内が狭く迅速な避難は難しいと指摘。
十分な数の酸素マスクが用意されていたか、その使い方が徹底されていたかについて、疑問を示した。
この原潜は、年末にロシア海軍に正式に配備された後、インドに10年間貸し出される予定で、約6億5千万ドル(約646億円)の貸出料が見込まれている。
ロシアは、さらに軍艦2隻と空母をインドにリースする予定だが、軍事専門家のプホフ技術戦略分析センター代表は「インドが今後の契約を警戒する可能性もある」と話す。
ロシア製兵器は、購入する各国にとって、多少の欠陥があっても価格が安いことが魅力だった。
しかし、このところのロシアでのコスト上昇で価格競争力が失われつつあるとされ、