’08/11/24の朝刊記事から
北方領土 解決 次世代に委ねず
首脳会談 ロシア大統領表明
【リマ23日青山修ニ】麻生太郎首相は22日夜(日本時間23日午前)、リマ市内のホテルで、ロシアのメドベージェフ大統領と初の首脳会談を行った。
大統領は北方領土問題について「解決を次世代に委ねることは考えていない」と早期解決に強い意欲を表明。
両首脳は、政治主導で問題の進展を図るべきだとの認識で一致した。
首相は会談で、「大統領の領土問題解決の決意が事務レベルの交渉に反映されていない」と指摘した。
大統領は「どこの国でも官僚の抵抗は存在するが、首脳の善意と意志があれば解決できる」と応じ、領土問題前進に向け、事務方に具体的な作業に入るよう指示することで一致した。
また両首脳は、当初年内を予定していたプーチン首相来日を、来年初めに実現することで合意。
さらに来年は首脳レベルで集中的な政治対話を行っていくことを確認した。
大統領は、極東シベリア開発やエネルギー分野での日露協力にも強い関心を表明した。
大統領の領土問題前進への意欲の背景には、経済分野で日本の一層の支援を得たいとの思惑があるとみられ、日本が目指す「経済分野に見合う政治分野の進展」が実現するかは不透明だ。
このほか両首脳は、北朝鮮による核計画申告に対して、実効性のある検証方法を盛り込んだ文章を六カ国協議で策定することで合意した。