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'07/06/12の朝刊記事から
中国軍事費 日本抜く
【ロンドン11日共同】スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は11日、2007年版の年鑑を発表し、06年の世界の軍事費が前年比実質3.5%増の1兆2040億ドル(約146兆円)となったことを明らかにした。
全体の46%を占める米国がイラクやアフガニスタンなどで継続している対テロ戦争が増加の主要因。
また、中国の軍事費が、比較基準とする05年の為替レートで推計495億ドルとなり、同年鑑の1970年発表の統計開始後、初めて日本を抜いてアジア最大となった。
世界全体では4位。
中国の軍事的台頭が、軍事費統計の権威である同研究所の推計でも裏付けられた。
2位以下の英国、フランスの全体に占める割合はそれぞれ5%で、米国が例年通り突出。
5位の日本は437億ドルで4%だった。
年鑑は、中国の国防費が97年からの10年間で2倍近くになっているとし、近年の急激な増大は「明白なこと」と指摘。
経済発展に伴う将校らの給与負担増加や台湾独立の動きなどに対抗する軍備調達、軍備の近代化など、中国側が挙げる理由を紹介した。
中国の国防費は不透明さが指摘されており、年鑑によると、公式発表の350億ドルから、米国防情報局試算の最大1150億ドルまで大きな開きがある。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の軍事費の統計
各国の軍が得た人的、物的軍備の規模を容易に測るデータの提供を目的に、同研究所は毎年、公開情報を基に統計を作成。
1970年の年鑑に初めて登場した。
一次的に各国通貨で表示される軍事費をドル換算する際に、現在の為替レートのほかに、複数年の比較を目的に基準年のレートを使って換算する。
2007年版の基準年は05年。
情報源は①各国の予算資料、国防白書や当局の公開資料②国際的な統計③専門メディアの資料など-のカテゴリーにわけられる。 (ロンドン共同)