'08/10/09の朝刊記事から
ロシア軍撤退完了
緩衝地帯 グルジア側も確認
【モスクワ8日加藤雅毅】南オセチア自治州をめぐる軍事衝突でグルジア領内の「緩衝地帯」にとどまっていたロシアの平和維持部隊が8日、撤退を完了した。
ロシアと欧州連合(EU)議長国フランスとの間で合意した今月10日の撤退期限よりも2日早い。
ロイター通信によると、グルジア内務省報道官は8日、「緩衝地帯からの完全撤退を確認した」と述べた。
撤退完了により、焦点は、ロシアがグルジアからの独立を承認し、グルジアが独立を認めていない同自治州とアブハジア自治共和国の地位をめぐる問題に移る。
これに関連して、ロシアのメドベージェフ大統領は同日、フランス東部のエビアンで演説し、緩衝地帯からの同日中の撤退完了を表明。
ロシアの部隊に代わって治安維持にあたるEUの監視団に関し、「(グルジアからの)いろんな挑発がないよう、役割を果たしてほしい」と強調した。
また、「グルジア政権の危険性は最近のいくつかの挑発でわかる。特に、(南オセチアの州都ツヒンバリでの)平和維持部隊前での爆発はそれを示した」と述べ、グルジアのサーカシビリ政権との対決姿勢をあらためて鮮明にした。
ただ、ロシア軍は緩衝地帯からは撤退したが、南オセチアとアブハジアの両地域にそれぞれ3800人の部隊を駐留させる方針。
これに反発するグルジアや欧米の対応が注目される。
メドベージェフ大統領は演説後、和平調停にあたったフランスのサルコジ大統領と会談した。