’07/10/25の朝刊記事から
「2島返還で平和条約」
ロシア紙 日本側打診と報道
【モスクワ24日藤森一朗】ロシアの有力紙コメルサントは24日、日本が北方領土問題の解決に向け、歯舞、色丹2島の返還を前提に平和条約を結び、国後、択捉島の帰属については継続交渉とする案を非公式にロシア側に打診した、と報じた。
日本外務省は同日、打診の事実はないと否定したが、4島一括の帰属確認を目指す日本側の従来の方針は交渉前進に結び付いておらず、今後、歯舞、色丹2島の引き渡し方針を明記した日ソ共同宣言を基盤にした打開の可能性があらためて注目される可能性がある。
記事は、タス通信のゴロブニン東京支局長が寄稿した。
記事は複数の筋の情報として、「日本はあくまで非公式な形で、日ソ共同宣言に立ち返るために極めて大胆な提案をした」と説明。
同案では、日本は平和条約を締結して歯舞、色丹2島を手にし、国後、択捉島については係争地であることを明確にして交渉を継続する-としている。
森喜朗元首相は、プーチン大統領が2000年9月に日ソ共同宣言の有効性を確認したのを受け、同案に似た二段階解決を模索する姿勢を示したが、01年に退陣。
日本側はその後、「日ソ共同宣言を基盤とすると、2島返還で幕引きされる」(外務省筋)との見解から、4島一括の帰属確認を目指す方針を堅持している。
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外務省ロシア課は「全く(打診の)事実はない。4島の帰属問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針に従い、強い意志を持ってロシアとの交渉を進めていく」と話している。