'07/05/26の朝刊記事から
日中ガス田協議 中国 新提案示さず
共同開発めぐり難航か
【北京25日高山昌行】日中両政府は24、25の両日、東シナ海のガス田開発をめぐる第8回局長級協議を北京で開いた。
佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は協議終了後、記者団に対し、中国側から共同開発に向けた新提案が公式にはなかったことを明らかにした。
佐々江氏は「共同開発に向けた基本的な考え方について、(日中が)突っ込んだやりとりを行った結果、理解が深まってきた」と説明。
ただ「原則的な考えで日中の一致はない」と述べ、依然、共同開発の対象海域などをめぐり協議が難航していることを示唆した。
また、東シナ海で日中間の不測の事態が生じないように、海上保安庁と中国国家海洋局による連絡体制強化に向けた協議を推進することで合意した。
東シナ海のガス田開発をめぐっては、中国側が、日中中間線付近の「白樺」(中国名・春暁)など4ガス田を中国側海域で単独開発。
日本側はこの4ガス田を共同開発対象に含めるよう提案しているが中国側は拒否している。
'07/05/26の朝刊記事から
年金受給権の時効撤廃
首相表明 支給漏れ救済へ
安倍晋三首相は25日の衆院厚生労働委員会で、社会保険庁の年金記録の管理不備問題に関し、本来の受給額との差額を受給権の時効で5年分しか受け取れない受給者を救済するため、時効を撤廃する方針を明らかにした。
また、基礎年金番号に統合されず誰のものか分からない厚生年金・国民年金の納付記録約5千万件のうち、受給年齢に達している2880万件について内容を調査し、年金額が不足している可能性のある受給者に通知する考えを示した。
安倍首相は時効撤廃について、「年金の記録が訂正され給付額が増額されたのに、時効で消滅する事態を招かないようにすることが必要だ」と指摘。
その上で「時効で消滅したすべての部分を回復し救済する特別立法について、政府、与党が一体となって実現に努力していきたい」と述べた。
公明党の福島豊氏が、時効撤廃の議員立法への協力を求めたのに答えた。
該当者不明記録の調査は、60歳以上とみられる記録を対象に、氏名、性別、生年月日などを整理。
全受給者約3千万人のデータと照合する。
安倍首相は「これまで親切に説明するという姿勢が欠けていた。こちらからこういう(年金額不足の)可能性があるという通知をしっかり出す」と述べた。
社保長法案を可決 衆院委で与党強行
自民、公明両党は25日の衆院厚生労働委員会で、社会保険庁を非公務員型の公法人・日本年金機構に改組することを柱とした社会保険庁改革関連法案の採決に踏み切り、賛成多数で可決した。
与党は29日の衆院本会議で可決、参院へ送付する方針。
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'07/05/25の朝刊記事から
イージス艦情報漏えい 護衛艦長聴取へ
海自警務隊 インド洋で任務中
イージス艦中枢情報の資料が海上自衛隊内に流出、拡散した事件を捜査している海自警務隊は24日までに、テロ対策特別措置法に基づいてインド洋で活動している護衛艦艦長の二等海佐(47)から事情聴取するため、隊員を派遣する方針を固めた。
海外任務中の幹部に対する聴取は極めて異例。
艦長は、資料が拡散した舞台とされる海自第一術科学校(広島県江田島市)の元教官で、拡散への関与の有無を検討する上で、聴取が不可欠と判断したと見られる。
同校については、神奈川県警と警務隊が既に、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反容疑で家宅捜索している。
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'07/05/25の朝刊記事から
中国産せき止め薬 有毒物質で死者
中国政府が監督強化へ
【北京24日共同】中国外務省の姜瑜副報道局長は24日の定例記者会見で、中国産の有毒原料を含んだ食品、薬品が北米や中米パナマなどで深刻な健康被害を引き起こしている問題に関連し、政府として調査を本格化するとともに、国内の安全管理、監督体制を強化する考えを表明した。
歯磨き剤からも検出
一方、米食品医薬品局(FDA)は、パナマやドミニカ共和国で中国産練り歯磨きから致死量の有毒物質ジエチレングリコールが検出されたとして、中国画から米国に輸入されるすべての練り歯磨きの積荷を検査すると明らかにした。
ロイター通信が23日報じた。
中国の国家食品薬品監督管理局は24日までに通知を出し、国内の各地方政府に措置を講じるよう指示。
中国製品の安全性に対する国際的な懸念の高まりに、中国が強い危機感を抱いている実情を浮き彫りにした。
姜副報道局長は「違法な生産、経営行為は法に基づき断固取り締まる」と強調。
練り歯磨きをめぐる問題などについて「複数の関係当局が合同調査を展開中だ。
(摘発に向けた)われわれの決意は固い」と述べた。
関係当局によると、中国産の有毒な原料を含んだせき止め薬がパナマで販売され、多数の死者が出た問題で、調査チームが既に北京と江蘇省で調査を実施、関連企業に対する事情聴取を続けている。
実態解明後、結果を公表する見通しだ。
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'07/05/25の朝刊記事から
林道談合 緑資源理事ら6人逮捕
独禁法違反 天下り介し癒着
農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」が発注した林道整備のコンサルタント業務をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は24日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、森林業務担当理事高木宗男容疑者(59)=川崎市多摩区=ら機構幹部2人と、受注4社の各担当者の計6人を逮捕、川崎市の機構本部など関係先を捜索した。
4社には機構や林野庁のOBが在籍。
天下りの見返りに発注側が業務を割り振る官製談合は、機構上層部の刑事責任が追及される事件に発展した。
特捜部はOBの再就職を媒介にした官民癒着の実態解明を進める。
緑資源機構
森林開発公団と農用地整備公団が統合した緑資源公団を前身に、農林業振興のための独立行政法人として2003年設立。
公団時代から林野庁長官OBが理事長を務める。
全国6整備局が造林・農地整備を、8地方建設部が林道整備を担当する。
総延長2053キロの幹線林道が計画され、06年3月末時点で1288キロが完成。
事業費の3分の2は国の補助金で、残りが都道府県負担。
07年度の林道関連予算は124億円。
公正取引委員会の立ち入り検査を受け、07年度からは従来の随意契約や指名競争入札ではなく、原則として一般競争入札に切り替えた。