Kodak DC4800
'07/07/17の朝刊記事から
安全確保まで運転停止指示 経産相
東京電力柏崎刈羽原発で、新潟県中越沖地震後の火災の消火に手間取り、放射性物質を含む水漏れの報告も遅れたのを受け、甘利利明経済産業相は17日未明、全電力会社に消防や内部連絡態勢を点検し、報告するよう指示した。
同日未明には東電の勝俣恒久社長を呼び出し、安全が確保されるまで運転を止めるよう直接指示した。
経産相は、耐震設計の想定を超える揺れが観測されたことに「耐震構造が大丈夫であることが未確認のまま(運転を)再開することはない」と明言した。
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'07/07/17の朝刊記事から
柏崎原発 揺れ 耐震設計超す
変圧器で火災、消火
東京電力は16日、柏崎刈羽原発(沸騰水型)、新潟県柏崎市・刈羽村)で検知した新潟県中越沖地震の揺れが、機器や施設の安全性が保たれる耐震設計の基準である「限界地震」を大幅に上回り、原子炉が緊急停止、微量の放射性物質を含む水が海に放出されたと発表した。
緊急停止したのは全7基のうち停止中の炉を除く、2,3,4,7号機の4基。
3号機ではタービン建屋外にある変圧器で火災が発生した。
経済産業省原子力安全・保安院によると、地震に伴い原発で火災が起きたのは国内で初めて。
地震発生後、まもなく火災が確認されたが、119番がかかりにくく、消防隊の到着も遅れて鎮火は正午すぎとなった。
6号機では微量の放射性物質を含む水漏れが見つかり、1.2立方メートルが海に放出されたことが判明。
使用済み核燃料貯蔵プールの水とみられるが国の安全基準を下回るレベルで、東電は環境に影響はないとしている。
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'07/07/17の朝刊記事から
新潟・長野 震度6強 中越沖M6.8
8人死亡 900人負傷 6弱余震も 1万人が避難
16日午前10時13分ごろ、新潟県上中越沖(新潟市の南西約60キロ)を震源とする強い地震があり、新潟県柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強、新潟県上越市、小千谷市、出雲崎町で震度6弱を記録。
東北から関東、東海にかけて震度3以上を観測した。
余震は70回を超え、震度6弱もあった。
気象庁は今後も最大6弱の余震の恐れ(虞と書くべきだろう)があるとして警戒を呼び掛けている。
'07/07/16の朝刊記事から
遊民とフリーターの差
政府に反旗翻す力どこへ
法政大教授 田 中 優 子
「フリーター」「ホームレス」「ニート」という言葉がある。
どういうわけか、どれもこれも横文字だ。
縦文字に直すとどうなるか。
フリーターは「遊民」、ホームレスは「無宿」といったところか。
つまり今に限ったことではなく、古来いつの時代にも存在した生き方、暮らし方なのである。
しかしニートにあたる日本語はない。
どんな社会でも、働かないで生きていかれるということはなかったからだ。
家事・雑事をまかされる、自給自足をする、農作業や商売を手伝うなど、現金収入にならなくとも仕事はいくらでもあった。
ちょっとしたことを頼まれて小遣いをもらうという働きかたもあり、家族も周囲もそれをさせた。
むろんそれとは別に、勉学に熱中する者もいた。
だが何もしないで家にいるのは、よほどの財産持ちか、よほどの病人である。
なかなか病気が治らないでぶらぶらしていることを「ぶらぶら病(やまい)」という。
江戸時代ならさしずめニートを、「お大尽」か「ぶらぶら病」に分類したであろう。
遊民はお大尽でも病人でもない。
遊民は働いているのである。
「遊」とは移動するという意味で、遊民とはもともと移動することで生きていた人々をさす。
中世の芸能人や職人や山伏、遊女、僧侶などは移動しながら仕事を見つけ、その収入で生きていた。
そういうことが社会に定着していれば、それは異常なことでも非難されることでもなく、人々の通常の営みなのである。
浪人対策悩み
江戸時代になると、多くが都市に定住した。
都市の治安意識も高くなった。
そこで非定住の遊民はやや「困った問題」になった。
やがて武士たちのあいだで遊民論も盛んになる。
つまり遊民対策に頭を悩ましていたのである。
中でも、もっとも幕府が手をやいたのは浪人である。
貧窮した農村から出てきたり、商売がうまくいかなくなったりで日雇い労働に従事する人々は、土木工事があればそこに吸収される。
そういう考え方は江戸時代にもあった。
また商家でも農家でも武家でも、男女問わず家事手伝いの仕事は求められており、女性なら洗い張りや裁縫の仕事もあった。
「口入」という派遣業者がいて、これらの仕事を斡旋していた。
自由に働きたいなら棒手振といわれる、てんびんをかついで物を売る商売方法もある。
これら派遣や棒手振は決して遊民ではなく、職能を持つプロフェッショナルであり、立派な仕事人である。
そういう働き方をする人たちが、今ほどは低く見られなかったのである。
矛先は幕府に
しかし浪人は、そういう仕事に従事しようとはしなかった。
志を持って浪人になった人々は別だが、多くは仕官したいと思いながらできないでいる人々だからだ。
恨みは積もる。
能力があろうが無かろうが、誇りだけは高い。
命を捨てても名誉や精神的満足感が欲しい。
そういう人たちだから、浪人は集まれば何をするかわからない。
実際、由井正雪の乱は浪人の乱であり、忠臣蔵の討ち入りも浪人の結束によるものだ。
討ち入りはその矛先が幕府にではなく吉良家に向かったが、由井正雪の乱はちょっと違う。
大量に発生しながら再就職もできない浪人たちの貧困救済を求め、騒乱による幕政批判をしようとしたのだ。
その矛先はきっちり幕府に向かっている。
結果的には30人以上が処刑されたが、批判の相手が的確という意味で、私は討ち入りよりこちらのほうがはるかにすごい事件だと思う。
フリーターの中に戦争を望む者たちが出てきたことが、総合雑誌「論座」への寄稿をきっかけに知られるようになった。
彼らの抱えている問題は金銭ではなく、むしろ人としての誇りなのである。
フリーターやニートの一部は、かつての浪人と非常によく似た精神状態にあるのかも知れない。
浪人は物騒な人たちだったが、フリーターはネットカフェの個室に分断されて沈黙している。
浪人は政府への批判分子だったが、フリーターは戦争が起こったら、行ってもいいという。
これほど政府に都合がいいのは、一体どういうわけか?
私は現代を見ていて、だらしなさそうな江戸時代のほうがはるかに、反旗を翻す力のある時代だったと気づいた。
'07/07/16の朝刊記事から
報復攻撃激化
計43人が死亡 パキスタン
【イスラマバード15日共同】パキスタン北西辺境州スワト地区で15日、治安部隊の車列に対し、イスラム過激派が車2台による自爆攻撃と爆弾を爆破させる同時襲撃を行い、兵士ら少なくとも17人が死亡、約40人が負傷した。
数時間後には同州の警察採用施設で別の自爆テロがあり、警察志願者ら26人が死亡した。
主要メディアが報じた。
イスラマバードのモスク(イスラム教礼拝所)立てこもり事件で治安部隊の強行突入に反発するイスラム過激派は、前日も隣接する北ワジリスタン地区で自爆攻撃を行い治安部隊兵士ら24人が死亡。
連日の激しい報復攻撃で同国北西部の情勢は悪化する様相だ。