’08/03/15の朝刊記事から
プリンス側を日教組が提訴
会場使用拒否で
グランドプリンスホテル新高輪(東京)が契約を守らず、日本教職員組合(日教組)に教育研究全国集会の会場などを使用させなかった問題で、日教組は14日、同ホテルの経営会社プリンスホテル(東京)に損害賠償など約3億円を求める訴訟を東京地裁に起こした。
原告は日教組と、北教組など加盟の全77組合、集会参加予定の約1900人。
被告は同社と同社役員の全12人。
訴状によると、同社は昨年5月、日教組と会場使用の契約を締結したのに、同11月に一方的に契約解除を通告し使用を拒んだほか、集会参加予定の約1900人の宿泊予約も取り消し、日教組側に経済的損害と精神的苦痛を与えた。
また同社は会見などで誤った説明を行い、日教組の名誉を傷つけたとしている。
ホテル新高輪は「右翼団体の抗議活動で宿泊客や受験生に迷惑がかかる」と拒否した。
東京地裁と東京高裁の使用を命じる仮処分決定にも従わなかった。
提訴後、日教組の森越康雄委員長は東京都内で会見し「会場の使用拒否は、集会の自由を保障した憲法の根幹にかかわる問題。二度とこんな事態が起きないよう提訴した」と説明した。
’08/03/15の朝刊記事から
チベットで大規模衝突
デモに発砲、2人死亡か
【北京14日共同】1954年の「チベット動乱」から49年を迎え僧侶らの抗議デモが続発している中国チベット自治区ラサ中心部で14日、複数の店舗や車が燃やされ負傷者が出た。
国営新華社通信が伝えた。
米政府系放送局「ラジオ自由アジア」はデモ隊と警察が衝突、発砲により少なくとも2人が死亡したと報じており、大規模な衝突だったとみられる。
北京五輪を控え国際的な反響を呼ぶのは必至で、中国は難しい対応を迫られそうだ。
中国政府は10日以降のデモについて「人民の生活は正常」(自治区当局者)と平穏を強調してきたが、事態は一気に拡大、深刻化した。
インド・ダラムサラでは13日、亡命チベット人が抗議デモを行い、約100人がインド警察に拘束された。
中国甘粛省や青海省のチベット民族居住地区でも14日に僧侶らによる抗議デモがあったとの報道もあり、抗議活動が連動している可能性もある。
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は「強い懸念」を表明、中国政府に武力を使用しないよう求めた。
ラサにいる英誌エコノミストのジェームズ・マイルズ記者は共同通信の電話に「夜に入っても市中心部は数百人を超す抗議参加者が占拠、警察はそれを包囲しつつ上部の命令を待っているようだ」と指摘した。
また漢民族の商店や事務所が略奪の対象になり「漢民族の自動に石が投げられるのを見た。漢民族は町を離れたようだ」
チベット自治区
中国西部に位置し、平均標高は4,000メートル、「世界の屋根」といわれる。住民の9割はチベット族が占める。中国は1951年、人民解放軍を進駐させたが、59年、住民が「チベット動乱」と呼ばれる大規模デモを起こし、チベット族多数が弾圧された。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世はインドに亡命し、同国北部ダラムサラに「亡命政府」を樹立。中国は65年9月、チベット自治区を成立させた。89年には、大規模デモが起き、区都ラサに厳戒令が敷かれた。
’08/03/15の朝刊記事から
「きぼう」保管室設置
日本初の有人施設誕生
【ヒューストン(米テキサス州)14日時事】スペースシャトル「エンデバー」に乗り込んだ土井隆雄さん(53)は14日午前3時(日本時間同日午後5時)すぎ、ロボットアームを使い、貨物室から取り出した日本実験棟「きぼう」の船内保管室を国際宇宙ステーション(ISS)に設置した。固定作業や気密性の確認も成功し、日本初の有人宇宙施設が誕生した。
船内保管室
「きぼう」の倉庫で、船内実験室から自由に行き来できる。円筒形で直径4.4メートル、高さ4.2メートル、重さ4.2トン。通信などシステム用5個、細胞培養と流体物理の実験用2個、予備品用1個のラックを搭載。