先週図書館で借りてきた本を読みました。まずは「ドラッグ(薬物)ってなんだろう」。これは「おとなになること」という子供向けのシリーズでドラッグの基本的なことをわかりやす~く解説してあるもの。
この本では薬物依存症に至る過程を三段階で紹介してあります。人間の心の状態として「ふつう」「落ち込み」「ハイ」の三つがあって、朝からウキウキしているのが「ハイ」、嫌なことがあって学校に行きたくないというのは「落ち込み」、別になんともない状態が「ふつう」とします。
第一幕目は、「ふつう」の気分の人が薬物によりス~ッと「ハイ」になり、その後「ふつう」に戻ります。これは初期の段階。
第二幕目は、この気分が気に入って繰り返し使うようになると、薬物を使っているときは「ハイ」でいられても、薬が切れると「ふつう」をすっとばして「落ち込み」になると。
第三幕目はこれに薬物耐性が絡んできて、薬が切れたときはすごく「落ち込み」、薬を使っても普通の量では効かなくなってくるので、薬があってやっと「ふつう」になれると。こうなると、この人はもう薬物がなければ生きられないわけです。
常習者になる前は誰でもやめられると思ってるのでしょうが、連用するうちにどうしても薬がなくては生きられなくなるんでしょうね。この本ではこの他にも、それぞれの薬剤の特徴を簡単に解説してあって子供にもわかりやすいです。ただし、これで興味を持ってしまう子もいることはいるんでしょうけど、そういうのは言い出すときりが無いので。
もう1冊は、田代まさし氏の著書「自爆」。プロローグで「オレは犯罪を犯した。そして、それによってすべてを失った。自分なりに一生懸命高層ビルを建ててきたつもりだったけど、そのてっぺんから飛び降りてしまったようなものだ。」とあります。
内容は収監中のこととか、家族との絆、復帰への思いなど。結構いいことが書いてあって、最後の方では「オレは犯罪を心から悔やみ、すべてをなくし、社会制裁を受けた。そして、新しい人間に生まれ変わった。自分に自信が持てるのなら、人生をやり直すチャンスをもらってもいいのではないだろうかと。」ともあります。
最後は支えてくれた人たちや家族に対しての感謝の言葉でしめくくられていて、「割といい本かもぉ」とは思ったのですが、実はこれは2002年の本。ということは2度目の逮捕での釈放後のことなんですね。
この人はこの後に再度覚せい剤で逮捕され、昨年くらいまで収監されてたと記憶してますので、こんなに真摯な思いで再起を決意していながらそれがならなかったと。もちろん本人の気の弱さなどいろいろあるのでしょうが、げに恐ろしきは覚せい剤じゃの~という思いを強くしました。
やめようと思ってもやめられず骨の髄までシャブられるから“シャブ”なんだと聞いたことがあります。なので口でいくら「やめろ」と言ってもダメなんでしょう。更正施設とか専門家とかそういうのが必要なんでしょうが、そういう基本的に一円の儲けにもならないような活動というのは行政の支援が必須なわけで、その辺各政党のマニフェストには…って、そんな細かいことはないですか。
マスコミに望むことは、最初の本に書いてあるようなドラッグの害について教育する内容を放送して欲しいです。一方警察には取締りを強化してもらいたいと。のりぴーが逃走中に何をやってたかとか、奄美大島でもやってたとか、別荘がどんなところだとか、そんなこたぁどうでもいいです。あれだけの有名タレントが自分で路上で売人から買ってたとは考えられず、潤沢に継続的に入手できていたそのルートを解明するとか、元をたどって密輸業者を逮捕するとかそっちの方を期待します。