発売中のベース・マガジンに渡辺直樹さんのインタビュー記事が掲載されています。白黒ですが、なんと8ページ。キャンディーズのライブでその名前を知ってからもう43年くらいになりますが、生い立ちから何からこれだけ詳しく読んだのは初めてです。物凄く充実してました。
生まれが音楽一家で、お兄さんがGSのワイルド・ワンズのチャッピーこと渡辺茂樹さん、妹さんは歌手の南翔子なのは知ってましたが、いかにして音楽を始めどうやってベーシストとしてデビューしたかというのが詳しくわかりました。何しろ中学生にしてプロのベーシストとしてデビューしたわけで、もうキャリアは50年と。
一般的にはスタジオミュージシャンでやってると、「自分のバンドを持ちたい」という方向に行くことが多いですが、この人はスタジオミュージシャン指向で、それも「一流のスタジオミュージシャンになりたい」という思いが強いというのがよくわかりました。今は滅多にステージで演奏する姿は見ませんが、スタジオの仕事は多いのでしょうね。
一般にロックやニューミュージック系(死語?)のアルバムではミュージシャンのクレジットもありますが、歌謡曲や演歌系ではそれがないのがほとんど。そうなると、どれが直樹さんの演奏かわからないことも多いです。今回の特集も、折角だからその辺まとめて欲しかったです。
私としては、スペクトラムのアルバム全部、AB'Sの1~3と再結成後のいくつか、キャンディーズは「早春譜」「ファイナルカーニバル・プラス・ワン」は当然として、その他はなかなか把握できてません。上田知華とカリョービンの「SONG」というアルバムの「スリルな昼下り」という曲だったり、ヘビーメタルアーミーのアルバムへの参加とかはわかってますが、今回の記事によるとB'z、大黒摩季、鬼束ちひろ、ケイコ・リー、船山基紀さんがアレンジしたジャニーズ系、坂本冬美、松田聖子、水前寺清子などが挙げられてます。
何しろ初めて「凄いなあ」と思ったのが、キャンディーズの「10000人カーニバル Vol.2」というライブですが、ベースがバンドのグルーブをぐいぐい引っ張る感じで、なおかつメロディアスというと単純な言葉かもしれませんが、それこそフレットの端から端まで上下する感じで「ベースってこんなに色々できるんだ」と思い知らされました。
キャンディーズのレコードでは、「ファイナルカーニバル・プラス・ワン」の「STOP!」という曲でスラップの大暴れをしてますが、これがリズム隊全般に強烈なコンプがかかってる音で、中学生だった私は「なにこれ?」と驚きました。いまだにメカニズムを解明できてません。
ただ、小学生の頃には西城秀樹さんが「恋の暴走」という曲の間奏でバンドと一緒に足上げて踊ってたりしてるのを見て、友達と「なんだあれ?」とか笑ってたのですが、あれが藤丸さんと直樹さんだったというのを知ったのは10年くらい前。あれは1975年の演奏でしょうか。小学生の話題になるくらいだから、企画としては大成功だったのでしょう。
直樹さんはAB'Sで注目を浴びて以来コーラス仕事もあれこれやってますが、甲斐バンドの「ラヴ・マイナス・ゼロ」とか、同じく「REPEAT & FADE」というアルバムではベースを弾かずコーラスだけやってます。甘い声で絶妙です。
最近確認できたところでは、さだまさしさんの最新アルバム「さだ丼」で3曲ほど演奏してます。ここ何年かのさださんのアルバムでは必ず数曲演奏してますね。我が家には家庭の事情で(?)CDがありますので、毎回チェックしてます。
なお、山田邦子の「邦子のかわい子ぶりっ子」の作曲とか、嘉門達夫の「アカペラな夜」でのコーラス担当というのはあまり触れない方がよいでしょうか。どっちもかっこよくて私は好きですが。
ということで、渡辺直樹さんが注目されてすごく嬉しいのでした。ベース・マガジンはなかなかのお値段ですが、皆さん是非お買い求め下さい。
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