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📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

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2023-05-25 | 宮部みゆき

 

 

宮部みゆき
『鳩笛草 ― 燔祭 / 朽ちてゆくまで』★★★

 

宮部みゆきの時代小説にすっかりハマっていたからか、
以前一度手に取ったけど渋いな・・と未読のままだった鳩笛草
題名も渋いっ
そこから想像するも影がある女性のイメージかしら。
裏表紙の内容説明を読み「超能力」!?(「きてます、きてます」古っ)
惹かれなかった。
今回『クロスファイア』の前哨戦と分かり、腰を据えて超能力の世界へ。

光文社文庫で長く愛読されている名作を、読みやすい文字に組み直し、新たなカバーデザインで、
「光文社文庫プレミアム」として刊行いたします。

文庫本にて読了です。

 

--------(抜粋)

 

亡き両親が残したビデオを見た智子は、かつて自分に特殊な力があったことを知る(「朽ちてゆくまで」)
わたしは凶器になれる―。念じただけで人や物を発火させる能力を持つ淳子は、妹を惨殺された過去を持つ男に、報復の協力を申し出る(「燔祭」)
他人の心が読める刑事・貴子は、試練に直面し、刑事としての自分の資質を疑ってゆく(「鳩笛草」)

超能力を持つ三人の女性をめぐる三つの物語

 

--------

 

予知能力、パイロキネシス、テレパス
もし自分にそんな力があったら!?なんて想像
もし宝くじが当たったら!?そっちの方が想像は楽しいけど。

 

 





昔のカッパ・ノベルス時代の装丁
うちの母がこのたぐいの山村美紗のサスペンスを読んでいたなぁ
なつかしい時代物です。


確か『長い長い殺人』はこのカッパ・ノベルスで読んだ記憶

 

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宮部みゆき『長い長い殺人』★★★★★文庫とハードカバーの中間の大きさなカッパノベルス光文社が出版する1959年創刊ノベルスレーベル推理小説、娯楽小説が主で代表作に西村京太...

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2023-01-10 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『三島屋変調百物語六之続 黒式御神火御殿』★★★

 

はい。三島屋シリーズ 新章スタートです(^▽^)/
百物語の聞き手のおちかが卒業、富次郎へと引き継がれました。

しかし題名ながっ・・何て読むのよ宮部さん(^▽^;)
「こくしきごしんひごてん」?
「くろしきごしんひごてん」??
ブーーッッ
「くろたけごじんかごてん」です。なんのこっちゃ


連載 「毎日新聞」2018年8月1日~2019年7月31日

 

--------(抜粋)

 

宮部みゆきのライフワーク、語り手を新たに新章スタート!

文字は怖いものだよ。遊びに使っちゃいけない――。江戸は神田にある袋物屋〈三島屋〉は、一風変わった百物語を続けている。これまで聞き手を務めてきた主人の姪“おちか”の嫁入りによって、役目は甘い物好きの次男・富次郎に引き継がれた。三島屋に持ち込まれた謎めいた半天をきっかけに語られたのは、人々を吸い寄せる怪しい屋敷の話だった。読む者の心をとらえて放さない、宮部みゆき流江戸怪談、新章スタート

 

--------

 

ついつい途中うたた寝しちゃうぐらい、
新たな聞き手の富次郎・・緊張感がない(笑)

 

P198 飛脚問屋についての語り 勉強になります。

「株」・・別で読んでいる『髪結い伊三次捕物余話』の髪結床の株FB

 

 

標題作
第四話 黒式御神火御殿

 

---

 

痛いってことは、生きているってことさ。こんな面妖なところに閉じ込められたって、こちらぴんしゃんしてるんだ。

 

甚三郎は干上がった喉をごくりとさせた。
凍える風に頬が強ばる。動いているのは雪だけだ。聞こえてくるのは、風にかきまわされる雑木林のざわめきだけ。
金右衛門の頭がぴくりと動き、前方の何かを見た。甚三郎もそれを追った。

 

 

「不思議なもんでした。この屋敷には死が満ちているのに、ちっちゃい芽は生きてる」
自分たちも死んではいない。生きている。この先も生きていける。そう恃むことができたのだ。

 

---

季節は早々と巡る。

知らぬが花

 

 

---

 

現世利益を求めて信仰に踏み込む無垢と純真、よりよい正への渇望を愚かだと責めることは容易い。しかし、それが人の情であり、人の弱さなのだ。

 

---

残り4人となった時に自分に置き換えて考えてみた。
誰もが抱える悪事!?その程度はどう推し量るの?など。

 

襖絵の火山
映画化されてもよいスケール感

どかーん 熱風 まぐまどろどろ

 

 

---

 

もろともに生きるか、死ぬか

 

ここはどこなのか。おそらくこの世ではなく、あの世でもない。それぐらいしか言えない。

 

真っ黒な顔の侍と、札差の道楽息子と質屋の女中。いったいどういう組み合わせだ。

---

 

侍の矜持

 

 

 

 

 

 

この三島屋シリーズ
宮部みゆきに出逢ったきっかけの本でもあった。
(すっかり忘れていた(^▽^;)備忘録あってよかった)

 

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宮部みゆき『おそろし三島屋変調百物語事始』★★★ちょっと気分を変えての時代小説読書会メンバとの交換読書^^宮部みゆきと言えば『模倣犯』・・中井ちゃんの映画その内容が...

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2022-11-17 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『蒲生邸事件』★★★+

 

やっと読み終わった~
図書館の予約本 かれこれ数ヵ月、取り置き期間を数回過ぎた本

 

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宮部みゆき『ステップファザー・ステップ』★★★表紙の第一印象だと「絶対」読もうと思わないけど、グッと我慢(笑)まだまだ出逢えぬ名作かもしれない。さてこちら題名のstep...

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つい「蒲生邸事件・・縁がないのかしら」つぶやいていた。
(他、先日読んだ『ケーキの切れない非行少年たち』も同様 何度も逃がしていた)


『蒲生邸事件』の文庫本
色々な出版社から刊行されているけど、この表紙がインパクト
上下巻じゃなくP686の大容量

 

単行本 1996年10月10日、毎日新聞社刊

 

--------(抜粋)

 

1994年、予備校受験のために上京した受験生の尾崎孝史だったが、2月26日未明、宿泊している古いホテルで火災に見舞われた。間一髪、同宿の男に救われたものの、避難した先はなんと昭和十一年の東京
男は時間軸を自由に移動できる能力を持った時間旅行者だったのだ。雪降りしきる帝都では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた――。
大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇!

『蒲生邸事件』の真の主人公は青年ではなく「歴史」である。歴史的事件の肌ざわりをたくみに示しながら、歴史とは何か、そして歴史を評価するとはどういうことかを、さりげなくこの小説は問うている。(関川夏央「解説」より)

 

--------

 

第一章 その夜まで

 

ドアの開け閉て(あけたてと読)

 

 

第二章 蒲生家の人びと

 

女中の存在

 

 

 

----------ここで約二週間ほどブランク(^▽^;)

再開したけどだらだらした描写に「クドイ!」と思わざる得ない。
ここ最近山本周五郎の短編集ばかり読んでいるからかもしれない。
通常の描写が3行としたら、秀悦な周五郎さんはそれを1行で著す(それも沁みる)ベタ惚れ。

 

 

 

第三章 事件

第四章 戒厳令 

 

ゆらゆら睡魔からの脱却!!・・(笑)
新たな展開「さすが宮部さん」

 

---

 

——きっとお伝えくださいましよ。黒井は約束どおりやって参りましたと。

 

---

 

 

第五章 兵に告ぐ

 

---

 

歴史の流れは変えられないという絶望が、ここでもまた立ちふさがるのか。
「そうだ、歴史の必然は変えることができない。止めることもできない」

 

---

 

「これから戦争が始まるぞーーー!」
叫べますか?

 

まがい物の神たち

 

 

終章 孝史

 

ふきとの現世での再会!?

 

ラストは涙がこみあげてきて、孝史に寄り添う気持ちが生まれた。
(あまりに最初とのギャップがあり過ぎる!)

 

二・二六事件を知ることが出来、歴史って知れば知るほどおもしろい。

 

昭和11年(1936)2月|二・二六事件:日本のあゆみ

二・二六事件

 

二・二六事件 - Wikipedia

二・二六事件 - Wikipedia

二・二六事件 - Wikipedia

 

 

 

宮部さんじゃなかったら知ることもなかった時代物

ホントその当時と今現在の日本人が同じとは思えない。
思想について語るつもりはないけど、昔の人は熱き意思を持っていた。
よりよき国家にしようとそんな時代だった。

戦争を止めることは出来ない。


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2022-08-24 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『あやかし草紙』★★★★

 

にゃおん夏休み読書最終~ 
こちらも大容量のP641
(同時読書していた彼女はハードカバーは重過ぎて持ち運び不可とのこと)
さて気合入れて読みましょうか。

 

--------(抜粋)

 

宮部みゆきのライフワーク!聞き手おちかの卒業でむかえる、第一期完結編!

三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが……。怖いけれども癖になる。
三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!

 

--------

 

第一話 開かずの間(私的に一票★★★★★)

 

---

 

「わざわざ苦労を買ってまで、ご自分の器量を知りたいんですか」
「うん、知りたいねえ」
うなずいて、富次郎は笑った。
「こんなことを言うのは、やっぱりわたしがまだ本当の商いの苦労ってもんを味わってないからだろうけどさ」
「ええ、怖いもの知らずな言い様ですわね」

 

---

 

 

こんこんちき・・(笑)

 

こんこんちきとは - コトバンク

精選版 日本国語大辞典 - こんこんちきの用語解説 - 〘名〙① 「きつね(狐)」の異称。※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻二〇「六尺はこんこんちきの所作があり」② ばか囃子(ばや...

コトバンク

 

 

---

 

 

本結城縞の艶のある小袖

 

 

---

 

 

武家と同じく、商家でも跡取り以外は「部屋住み」である。息子なら養子先を探す、商いに励んで分家してもらえるだけの力をつける。娘なら良縁をつかむ。自分の身を立ててゆくには限られた道しかない。

 

 

---

 

こちらMyヒット!!
百物語に相応しい一作です。

 

 

第二章 だんまり姫

 

〈もんも声〉

 

---

 

 

「もんも声の主は、その力が世のため人のためになるから生まれてくる。お役を果たすための命じゃから、病を寄せ付けんし怪我もせん。おせいは、いつか朝日村を大きな災いから救うてくれるかもしらんし、大黒のお殿様にお役に立つかもしらん」
それに、もんも声の女の子は必ず器量よしになる、と言ったそうである。

 

仮初めの平穏

 

 

---

 

 

〈わらわのこえはなくなった〉
「声がなくなってしまった、か」

 

 

---

 

 

妖怪〈おまる積み〉、参上。

 

 

---

 

 

おちかは思う。黒白の間で語られる話を聞き捨てにするというのは、本当に物を捨てるように扱うということではない。
むしろ尊重するからこそ、聞いた話をいじらない。聞き手の側で意味を足さない。
聞いたままに受け止めて、そっと見送る。
「やっぱり、おちかは腹が据わっているなあ」
年季の差だねと、富次郎は笑った。

 

 

---

 

 

標題作
第四章 あやかし草紙

 

---

 

 

饅頭の温かさ、あんこの甘さ、思いがけず皆で一緒に台所の板の間に寄り集まってお菓子を食べる楽しさ。竈の煙抜きからふわりと舞い込んでくる粉雪の粒。
ああ、幸せだとおちかは思う。

 

 

---

 

 

「そういえば、小豆には魔を祓う力がありますから、お汁粉は変わり百物語にふさわしゅうございますね」

 

 

---

 

 

読み物は人の心の滋養になり、人を癒やし励ます効用を持っていると信じている。かつて己が書物に慰められた経験があるから、その思いが揺らいだことはない。

 

 

---

 

 

「たった三年。でも、その三年は長うございました」

 

 

---

 

 

女敵討ち

女敵討とは - コトバンク

 

 

---

 

 

人は今を生きるしかなく、今ここのことしかわからない。学べるのは過去からの教訓ばかりだ。先のことを見通し得る千里眼なんて便利なものは、残念ながらこの世にはない。

 

この人はホントに動じない。

 

 

---

 

偶偶引き寄せる「縁」がある。
「縁」と聞いて誰の顔が浮かびますか?
(わたしはまちがいなく相方ですな(笑))

 

 

第五章 金目の猫

 ここまで二十六の話を聞き捨ててきた(ってことはまだまだ続く!)

 

---

 

絵のどこに何を見るのか、見つけるのか、見いだすのかは、見る者の目と心にかかっているのだ。

 

---

 

 

「人の世はままならぬものだね」

 

 

---

生霊っているんだね。にゃおん

 



 

さてここで第一期完結となります。
巻末には宮部みゆきご本人の「文庫本あとがき」+「現在までの語られた話」が載ってます。


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2022-08-21 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『三鬼 三島屋変調百物語四之続』★★

 

お盆時期にピッタリ過ぎて苦笑
結構な厚さで読み応えたっぷりです。

今回は日経掲載分(2015年~2016年)

 

エアコンが効いた涼しい部屋、TVでは甲子園中継(聖光学院!!)
夏休み読書
ビールではなく、手元にはホットカフェオレ

 

--------(抜粋)

 

亡者が集う家や食いしん坊の守り神。不思議がいっぱい黒白の間へようこそ。

此度の語り手は山陰の小藩の元江戸家老。彼が山番士として送られた寒村で知った恐ろしい秘密とは!?
せつなくて怖いお話が満載! おちかが聞き手をつとめる変わり百物語、「三島屋」シリーズ

 

--------

 

 

・第一話 迷いの旅籠

 

---

 

「けんけん、ぐうぐう?」
それを言いたかったのか。可愛らしい。
「けんけんごうごう、だわね。人がいろいろ思うところを言い合って、騒ぎになることよ」
喧々囂々。

 

---

 

 

おつぎはいつも不思議に思う。山の鳥たちは、どうやって季節を知るのだろう。鳥には鳥の暦があるのかなあ。今はさえずりも聞こえないのに、行灯祭りが済んで立春が来ると、途端に賑やかになる。

 

 

---

 

 

「私は絵師だ。絵ならどれだけだって巧く描くことができる。だが、それだけでは空しかった。ならば何をどうすればいいのだろう。どうしたら、死者があの世から帰ってきて私の絵に宿り、活き活きと蘇ってくれるのか」
「先生、そんなお話はいいよ!」
おつぎは遮って、強い声を出した。
「死んだ人の魂なら、お盆やお彼岸に戻ってくるよ。だから、おらたち供養をするんだもん」
と、石杖先生はぬっと首を伸ばしておつぎの方に迫ってきた。
「盆や彼岸には死者が帰ってくる?ならばおつぎ、おまえは見たことがあるのかな。盆の迎え火についてくる死者の姿を。彼岸の入りに、戸口をくぐってくる懐かしい亡き人の顔を、その目で見たことがあるのかい?」

 

 

---

 

 

<まがい物>

「巷に溢れる亡者や幽霊の目撃譚は、おしなべてその類いなのだ。死人の念が、ボロ布の端がどこかに引っかかるようにして、縁の深い場所に引っかかっている。それが生者の目に、奇っ怪な幻となって見えてしまうだけのこと」
そんなものに価値はない。くだらん、まったくくだらんと、先生は言った。
「本物は、もっと完璧な姿形で戻ってくる。道が開けば、この世とあの世が通じるのだから」
途方もないことを言っているのに、先生は穏やかに落ち着きを払っている。

 

 

---

 

 

今後の人生の戒め

 

ちょっと中編になっていて、引っ張り過ぎ感が拭えない(^▽^;)
もう少し端的でよくない?

 

 

・第二話 食客ひだる神

 

---

 

祭りと喧嘩は江戸の華

 

---

 

 

桜をもの悲しく感じるのは、満開になったと思うそばから駆け足で散ってしまう花だからかもしれない。が、だからこそ「潔い」と讃えられもする、人の心の向きは、花ひとつ見るだけでも異なるものなのだ。

 

「もう桜はしまいなのに、葉桜を飾るんですか」
「桜は、葉っぱもあでやかだからね」

 

 

---

随分とおちかは成長し、自ら百物語を依頼

 

 

 

---

 

 

「語って語り捨て、聞いて聞捨て」

 

 

---

 

 

ひだる神というのは、またの名を「餓鬼」ともいう。山道や野道で行き倒れて死んだ者の霊であり、あやかしのものだ。これに憑かれると、誰でも急に激しい空腹を覚え、その場から動けなくなってしまう。

 

「紅葉も散り始め、秋の日はつるべ落としどころか、薄赤い夕陽がお手玉を放り投げたみたいに山の端に落っこちてゆくところでした」

 

相手があやかしのものでも、怒るべきときは怒れば効き目があるらしい。

 

 

---

 

 

表題作
・第三話 三鬼

 

---

 

 

―—森で迷子になると、鬼に遭うんだ。だから怖いんだよ。
鬼に遭う。

―—鬼がおります。

「村井様、あんまり詮索なさると、この山を下りれなくなりますで」

 

 

---

 

 

欣吉はまたはらはらと涙をこぼした。

 

 

---

 

 

黒い籠、長い蓑、雪沓。

 

 

---

表紙の絵ですな。

 

 

---

 

―あれは、我々を導いている。

 

 

---

 

 

私とおまえは、同朋(はらから)だ。
遠く、洞ヶ森の闇がざわめく音がする。

 

 

---

 

 

・第四話 おくらさま

 

---

 

 

「お嬢さんは、今のあの方とご縁がありますよ」
「え?」

 

 

---

 



最終章は山小屋に持参
空き時間に読む読む。

終わりよければ全てよし。
次回の表紙が花嫁姿・・おちかの今後に乞うご期待!


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2022-08-14 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』★★★

 

ブランクがあった三島屋シリーズ
最新刊をGETしたため、未読分を読んでゆきます。

 

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宮部みゆき『おそろし三島屋変調百物語事始』★★★ちょっと気分を変えての時代小説読書会メンバとの交換読書^^宮部みゆきと言えば『模倣犯』・・中井ちゃんの映画その内容が...

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宮部みゆき『あんじゅう三島屋変調百物語事続』★★★★続々お江戸物語こちら結構な厚さの文庫本暗獣あんじゅう“くろすけ”にまつわるお話それがまた切なくてちょっとホロリとさ...

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・第一話 魂取の池

 

---

 

 

「だから目先のことばっかりにおろおろしないで、自分に繋がっている縁を大事にしなさいって、おっ母さんに言ったそうです」
ついでに言うなら、どんなに胸が騒いでも、好いた人の気持ちを試すようなことしてはいけない、と。

 

 

---

 

 

・第二話 くりから御殿

 

---

 

 

たまたま。おちかは心の中で繰り返す。そう、偶々なのだ。たまたまが、人に酷い仕打ちをする。

 

 

---

 

 

ふるさとは、血の流れのなかに眠っている。

 

 

---

 

 

今夜こうして夕餉を囲む顔と顔が、明日も無事に、同じように集えますようにと願わずにはいられない。

 

 

---

 


標題作
・第三話 泣き童子

 標題作だけあって最後は唸る・・宮部みゆき読ませます。

 

 

・第四話 小雪舞う日の会談語り

 真冬の百物語*ある意味心身共に凍る*

 

 左見右見(とみこうみ)

---

 

橋は現世の外に通じる。他所では触れられぬものに、そこで会うことがある。

 

~今夕聴いた話のあれこれが、言葉の端々が、聴きながら心に浮かんだ場面の数々が、小雪のように小さな欠片になって、おちかの心のなかを舞う。

 

---

 私的にはこの少し長めの短編が印象深かった。

 

 

・第五話 まぐる笛

 化け物 人喰い怪獣「まぐる」

---

 

まぐるにまぐる自身を喰わせる。

 

「あの指笛を吹けるのは、おなごだけです」

 

---

 臨場感があってドキドキしちゃった。

 

 

・第六話 節気顔

 

---

 

たった今、見ず知らずの他人の死に手放しで泣いたのは。
―—発心というものでございますよ。

 

---

 発心(ほっしん)

 節気日 二十四節気(にじゅうしせっき) | 日本の暦

 

---

 

「あたしね」
返事を待たずに、おちかは続けた。
「あの〈商人〉だっていう男、悪いものだとばっかり思っていたの」
この世とあの世をつなぐ道筋にいて、双方に求められるものを仕入れ、売りつける。
「忌まわしくって、いけないものだとばっかり思っていたのよ」
それが、わからなくなってしまった。
「あの男を悪いものだと決めつけたら、人に心に願うことも、おしなべて悪いものだってことになってしまうなって」
もう一度、亡き人に会いたい、もう一度、この世に帰りたい。

 

探して会える男ではない。だが、この世とあの世のあわいに目を向けている者の前には、ふわりと姿を現るす。

 

---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





台風が来る前にお墓参りを済ませ、夜はみんなで食卓を囲む。
双方が帰って来ているのかと初めて意識

「何かしらの縁があって来ているんだからね」
この時期はそういう「縁」を強く感じるもので、愛しさを覚える。

 

帰省は叶っていないけど、弟夫婦がきちんとお墓を守ってくれている。

 

 

 

(予約投稿)


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2022-07-31 | 宮部みゆき

 

 

宮部みゆき
『とり残されて』★★★★

 

『蒲生亭事件』を読もうとしたけど、その前にこちら未読でした。



装丁の絵が何とも言えない世界観(^▽^;)どき

 

--------(抜粋)

 

勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。そんな折、校内プールに女性の死体が…。
その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録
巧みな伏線、鮮やかな舞台設定

 

--------

 

最初に表題作 やっぱり宮部みゆきは読ませますわ~

・とり残されて

 

 

・おたすけぶち

 

---

 

訴訟とは、原告と被告の争いではない。それぞれが時と争うだけのことだ。それほどに時間がかかり、忍耐を要する。そして、それだけの時を食いつぶすものであるからこそ、引き下がることができなくなるのだ。ここで諦めたら、今までの苦労が水の泡だ――

 

 

 

険しく危険の多い道路ほど、不思議と車窓からの景色が美しい。悪女が決まって美女であるので同じようなものかもしれない。

 

---

 

 

・私の死んだ後に

 

---

 

こんな夜には、アルコールが入っていても、ほかのものが目に入らないほど恋に酔っていても、仕事に疲れて果てて帰宅する途中でも、勉強の合間に窓から外をのぞいただけでも、ちょっと耳をすませさえすれば、春という季節の波が暖かく寄せては返すのを聴くことができる。ほんの少し目をこらして見れば、こんなごみごみした街でも、すべてを洗い流したようにきれいいなることがあるのを知ることができる。
そんな夜だった。

 

---

 

 

・居合わせた男

 

---

 

――その気になって知ろうとしなかったら、富士山が噴火したことだって知らないまま生きていくことはできますよ―—

 

「噂話ひとつだって、情報ですもの。こっちが取ろうと思わなきゃ取れないし、取りたい形でしか入ってきませんね」

 

---

 

 

・囁く

 

---

 

「彼は楽になった。そうですね?」

 

---

 

 

・いつも二人で

 ちょっとめずらしいパターンなファンタジー

 

 

・たった一人

 夢か現実か?
 名声通りこちらも読ませる作品

 「運命を変えてはいけないなんて、戯言だ。それじゃ生きる価値もない」

 

 

 

1992年刊行 ちょうど30年前だけど、色褪せない読ませる短編集でした。
しばらく宮部みゆき特集でゆきましょうか(^▽^)/

 

 

 

 

 

 

 

 



こじゃれた吉祥寺の一風堂にて。
久々に食べたけど美味しかった。


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2021-11-23 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『あかんべえ㊦』★★★
 
 
 
上下巻の長編お江戸物語
 
平成19年1月1日 発行
(この作品は平成14年3月PHP研究所より刊行された)
 
下巻になるとお江戸ファンタジーにも慣れてきてすいすい進む。
 
 
--------(抜粋)
 
 
「ふね屋」には五人の亡者が迷っていた。あかんべえする少女、美男の若侍、婀娜っぽい姐さん、按摩のじいさん、宴席で暴れたおどろ髪の男
亡者と心を通わせていくうちに、おりんは、ふね屋の怪異が三十年前にここで起きた忌わしい事件に関っていることに気づく。
幾重もの因縁の糸はほどかれ、亡者は成仏できるだろうか?
ファンタジーとミステリと人情味が絶妙に溶け込んだ感動の時代長篇!
 
 
--------
 
 
 
---
 
 
 
「大人はいろいろな思い出を持っている。生きていると、否応なしにいろいろの思いが溜まるものだからな」
 
 
 
 
 
 
「誰にだって、ひとつやふたつの隠し事はあるものだし、ふたつあれば三つあってもおかしくない。三つあれば、もっとあってもおかしくないってことだよ。」
 
 
 
 
 
 
「人はね、いえ、女はね、ときどき、自分でもどうしようもなくなることがあるんだよ。それが色恋というものなんだ。」
 
 
 
 
 
「妬みそねみは女の性だと言われているけれど、実は男の嫉妬ほど恐ろしいものはないのだねえ」
 
 
 
---
 
 
 
主人公おりんの直向きさに初心を忘れちゃいけないと身につまされるけど、
綺麗ごとばかりじゃない世の中、大人になるとともに失う純粋さ。
それでも信じていたい人間のあるべき姿

心の奥深くにあるわだかまる黒い気持ち。
抑えがきかずそれが表面に出てしまうことがある。
反面吐き出すことでスッキリする気持ちも。
後悔は誰しもあることで、その気持ちが解消し明るい光が見えてくることがある。
時が解決してくれることもあるし、身近な人のちょっとした一言がきっかけだったりする。
どんなことがあろうと前を向いてゆきたい。
 
やはりラストは問題解決となるのでスッキリ爽快!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 






















 




何に向かって吠えてるのかしら?(笑)




語り合う二人・・
 
 
 
引き続き江戸東京博物館でした。

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2021-11-19 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『あかんべえ㊤』★★
 
 
上下巻の長編お江戸物語
 
平成19年1月1日 発行

やはり宮部みゆきの装丁(装画)は新田新策ですよね~

毎度ながらピッタリ合ってます。
 
 
短編に慣れ過ぎていたからか、長丁場に感じ、
描写など無駄な部分が多いような気がしてしまった今回・・
お江戸ファンタジーにも何だかなぁ
読書会での話題にも出たけど、私的にファンタジーは苦手
その苦手となる線引きがむずかしいところ。
 
 
--------(抜粋)
 
 
江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。
主人の太一郎が胸を撫で下ろした矢先、突然、抜き身の刀が暴れ出し、座敷を滅茶苦茶にしてしまう。亡者の姿は誰にも見えなかった。
しかし、ふね屋の十二歳の娘おりんにとっては、高熱を発して彼岸に渡りかけて以来、亡者は身近な存在だった――
この屋敷には一体、どんな悪しき因縁がからみついているのだろうか?
 
 
--------
 
 
 
題名のあかんべえ「あっかんべー」と言えば

 
ですよね(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
お江戸物語に新たな風を入れるべきかしら。
まだまだ楽しみは続くけど、宮部みゆき一旦距離を置こうかなぁ
 
おすすめなお江戸物語あったら教えて下さい。
 
 
一気読み中なので、明日は下巻紹介です。
 
 





















写真は江戸東京博物館にて。
長時間見ていても飽きない。
 
お江戸好きとしてはいつ行っても楽しめる場所です(^▽^)/

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2021-09-02 | 宮部みゆき

 

宮部みゆき
『あやし』★★★


どんどん進みます。
夏と言う季節柄にぴったりな短編集
(今日は秋雨模様で肌寒いですが・・)


本書は、2000年7月に刊行された小社単行本を文庫化したものです。
(角川文庫)


初期作品から順々に読んでいるからか、ここまでくるとあっぱれ!
深みも冴えてまた一段とパワーアップしたヒヤリとするお江戸物語です。

 
 
 
--------(抜粋)
 
 
十四歳の銀次は木綿問屋の「大黒屋」に奉公にあがることになる。やがて店の跡取り藤一郎に縁談が起こり、話は順調にまとまりそうになるのだが、なんと女中のおはるのお腹に藤一郎との子供がいることが判明する。おはるは、二度と藤一郎に近づかないようにと店を出されることに…。しばらくして、銀次は藤一郎からおはるのところへ遣いを頼まれるのだが、おはるがいるはずの家で銀次が見たものは…。(「居眠り心中」)
月夜の晩の本当に恐い江戸ふしぎ噺・九編
 
 
--------
 


・居眠り心中
 
・影牢(かげろう)
 最初の「岡田屋は、もうこの世のものではございません。」インパクト大!
 
・布団部屋
 
・梅の雨降る
 
・安達家の鬼 ←私的に印象深 いつか再読したい★★★★
 
・女の首
 
・時雨鬼 ←私的に印象深 いつか再読したい。

・灰神楽
 
・蜆塚 ラスト 発想がおもしろいし、近未来的?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ほら ホラーですよ。


 
目に見えるものが全てじゃない。

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