歌野晶午
『さらわれたい女』★★★+
二作目
文庫本の裏表紙を見ると結構書籍が出ている模様
こちらはブレイク前の作品らしい。
本書は1997年11月、講談社文庫より刊行されました。
(執筆されたのは1991年)
テンポよしな誘拐物語
まだ携帯電話が普及していなかった時代
--------(抜粋)
「私を誘拐してください」
小宮山佐緒理は潤んだ瞳で俺の手を握りしめた―。
報酬は百万円、夫の愛を確かめるための“狂言誘拐” を頼みたいというのだ。
便利屋の俺は完璧なプランを練り、見事に“誘拐”を成功させる。
しかし、身を隠していた佐緒理が部屋で殺されているのを発見し…
偉才・歌野が放つ、誘拐ミステリーの白眉
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あらすじだけでも何だかおもしろそう。でしょ?
「私を誘拐してください」
映画でありそうなパターンね。
すっごい昔に『大誘拐』ってあったのを思い出した。
痛快誘拐劇
ネタバレ含めますが、
エンタメ的に成功していると思う。
左足を切っている時に苦笑が起こる展開・・
人物を上手く描けているなと思った。
やはり甘いものは別腹的にお堅めな物語の合間に
こういう物語が欲しくなる。
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小仏トンネルを抜けて山梨県に入ると、雨足がいっそう強くなり、 時折、行く手に見える暗い稜線を、青い閃光が不気味に染めた。
ページをめくっているうちに「大菩薩嶺」 という文字が目にとまった。
「大菩薩嶺・・・・・・」
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ふと現代のコロナ渦な舞台な小説を読んでみたいなって思った。
たまには新刊 現代モノ?
こういう何気に置いてある物にほっこりさせられません?