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『大江健三郎全小説7』

2023-07-21 | 大江健三郎

 

 

今回の読書会課題は『万延元年のフットボール』です。
6に引き続き分厚いレンガ本です。
本当は文庫本が持ち運びが軽くてよきだけど、手に入らず・
大江さん人気なのかもしれない。
わたしの周りで大江健三郎を読んだことがある人はいないんだけどね~

日々チャレンジです!!
 
 
 

--------(抜粋)

 
 
日本近代の百年の心象風景を、故郷の土俗的背景と遡行する歴史的展望において捉え、戦後世代の切実な体験を文学的形象として結晶化した傑作(『万延元年のフットボール』)
「いまや『洪水』が目前にせまっているという声は、一般的となっている。その時、想像力的に同時代を生きなおす、ということは現実的にはいみがあるであろう」(著者・『洪水はわが魂に及び』)

【収録作品】
万延元年のフットボール(1967年)
洪水はわが魂に及び(1973年)

──ノーベル賞受賞をもたらした作品他
 
 
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・万延元年のフットボール
 
万延(まんえん)とは、安政の後、文久の前
1860年~1861年を指す。
フットボールは言わずともサッカーのことですな。
この題名からは特に何も伺い知ることは出来ず。
 
冒頭の取っ掛かりが中々馴染めなかったけど、
(それは大江作品全般に言えるのか?それはまだナゾ)
中間を何とか過ぎ後半に入ったあたりからどんどん惹き込まれてゆく。
ラスト蜜と鷹の会話(蜜の独白)で盛り上がりが最高潮!
これはおもしろいと読書会メンバに伝えたぐらい。
読了後にはさすが大江先生!と絶賛
 
蜜の内面の葛藤をこれでもかと思うほど綿密に描き切っている。
素晴らしい!
自分で思っていても内面の葛藤や本心を著すことは難しい。
どうしようもない気分の浮き沈み、本音と建前、裏表を上手く描き切った作品に出逢えた。
 
 
 
ただですね・・やはりその文体の難解さもそうだけど、
時代背景含め、出てくる登場人物は皆破天荒?現実にあり得ない内容ではある。
何とも言えない大江ワールド(もちろん四国が舞台です)
 
 
 
--------(抜粋)
 
 
友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇
谷崎賞受賞
 
 
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村上春樹に感化されていたからか、この『万延元年のフットボール
浄化槽の穴に籠ることや、鼠やら、贖罪羊やら・・どうしても春樹の作品が浮かんでしまった。
双方全く異なる文体なんだけど、何やら影響があるような気がしてしまう。
 
 
 
さて今回はここまでです。
後半の『洪水はわが魂に及び』は一息後にスタートです。

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