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『大江健三郎全小説4』完読

2024-04-28 | 大江健三郎

 



『大江健三郎全小説4』

 

2018年12月10日 第一刷発行
株式会社講談社

最後の一編『水死』です。
集大成と言える長編になります。
なんと74歳で生み出されたとは驚き!

フィクションでありながら、現実味がある。
今回の主人公は「娘」目線 そこの意外性もおもしろく。
 
 
--------抜粋
 
 
「今度の中篇集で、癌か狂気してか死の床にある男が、子供のころ父親と加わった、天皇の名のもとの反乱を再現しようとする。また、月への打ち上げを恐怖して、宇宙船基地を逃げた男が、現人神(アラヒトガミ)に救われることを夢みる・・・・・これらの、自由をおしつぶされる悲鳴と救済をもとめる叫び声を、時にはユーモラスにあげている男たちが、僕にとっての「同時代」なのです(著者・『みずから我が涙をぬぐいたまう日』)
 

【収録作品】
走れ、走りつづけよ / 生け贄男は必要か / 狩猟で暮らしたわれらの先祖 / 核時代の森の隠遁者 / 父よ、あなたはどこへ行くのか?/ われらの狂気を生き延びる道を教えよ / みずから我が涙をぬぐいたまう日/月の男(ムーン・マン)/ 水死

──父と天皇制

 
著書について

大江健三郎
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞、94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。
 
 
 
--------
 
 
 
・水死


--------(抜粋)

ノーベル賞作家、生涯の主題
「父、水死」に立ち向かう。

まさに小説としての面白さを平易な文章で達成した、新しい代表作

終戦の夏、父はなぜ洪水の川に船出したのか?
母が残した「赤革のトランク」には、父親関係の資料が詰まっているはず。
それらを手がかりに、父のことを小説に書こうとする作家・長江古義人
過去を持つ若い劇団女優との共同作業を通じて、
自らの精神の源流としての「深くて暗いニッポン人感覚」を突きつけられる長江
そして、やがて避けようもなく訪れる、壮絶で胸を打つクライマックス!

初めて読む人にも、もう一度読んでみたい人にも、新しいOeがここにある。


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第一部  「水死小説」
   序章   冗談
   第一章  「穴居人(ザ・ケイヴ・マン)」来たる
   第二章  演劇版『みずから我が涙をぬぐいたまう日』のリハーサル
   第三章  「赤革のトランク」
   第四章  冗談はつらぬかれた
   第五章  大眩暈


 第二部  女たちが優位に立つ
   第六章  「死んだ犬を投げる」芝居
   第七章  余波(アフタマス)は続く
   第八章  大黄(ギシギシ)
   第九章  「晩年の仕事(レイト・ワーク)」
   第十章  記憶あるいは夢の訂正
   第十一章 父は『金枝篇』に何を読み取ろうとしていたか?

 第三部  こんな切れっぱしでわたしはわたしの崩壊を支えてきた
   第十二章 コギーの伝記と憑坐(よりまし)
   第十三章 「マクベス問題」
   第十四章 あらゆる手続きが演劇化される
   第十五章 殉死

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夏目漱石『こころ』大江健三郎の最後の作品にこの『こころ』が引用されていた。実は本箱に未読本として持っていたので、これを機に読んでみた。--------(抜粋)あなたはそ...

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この『水死』に演劇の一場面として出てくる、夏目漱石の『こころ』
内容を知りたいため途中離脱して読んでみて正解
読書会では先生に対して突っ込みどころ満載で、時代の流れを感じる一作

 


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