松尾芭蕉が、『おくのほそ道』の旅の途中で立ち寄った、岩手の平泉で詠んだ、「夏草や 兵どもが 夢の跡」はそこからのインスピレーションだ。
そして、ロシアの文豪トルストイの『戦争と平和』は、もしかして、その句からのインスピレーションかもしれない、とは私の考えだ。
トルストイほどの人間であれば、『おくのほそ道』を読んでいたかもしれない、とは私の想像だ。
日中露の人間、言わんとすることは、どれも同じだ。
中国人や日本人が簡潔に詠んだ世の無常を、ロシア人は大長編小説でしか表せられなかったのだ。
そしてそれが歴史的な小説のひとつとなった。
現代人は昔の小説、特に長編小説など読まない。
「戦争と平和」を読破している人間は、昔の利発な人間か、相当、奇特な人間だろう。
もし何かの席で「戦争と平和」が話題に上った時には、「それって、国破れて山河ありとか、夏草や兵どもが夢の跡の長編小説版ね」と言えばいい。
もちろん私は「戦争と平和」を読んでいない。
だから、この文章の終わりには、知らんけど、というエクスキューズがつく。
ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに磨きがかかってきた。しかしそのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがある。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。